共和党穏健派のリーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 17:41 UTC 版)
「ネルソン・ロックフェラー」の記事における「共和党穏健派のリーダー」の解説
彼は自らの立場を「人間に関する問題では、私はリベラルだ。一方経済と財政政策に関する問題では、私は保守主義者だ。」としている。公民権運動に同情的で、人種差別の撤廃を積極的に支持した。他の大半の共和党員と同じく、南部諸州における人種隔離政策に終止符を打ち、人種間の法的な平等を保証する1964年公民権法を支持した。ロックフェラーは一般に共和党内の穏健派の代表格と考えられている。すなわち、社会問題でリベラルな姿勢をとった。彼のように社会政策に関してはリベラルで、他の問題ではおおむね他の党員と見解を一にする共和党員を「ロックフェラー・リパブリカン」と呼んだ。 しかしロックフェラーは他の分野では他の共和党員と同じ考えを持った。すなわち、政府の市場経済への必要以上の介入に反対し、低い税率、簡素で公平な税制、財政均衡、「小さな政府」を少なくとも表面上は支持した。また「ロックフェラー麻薬法」、アッティカ刑務所暴動に見られるように「法と秩序」の問題では他の共和党員同様強硬で毅然としたスタンスを取った。加えて反共主義者であり、「冷戦の闘士(Cold Warrior)」、タカ派としての一面もあった。ちなみにヘンリー・キッシンジャーは、1968年のキャンペーンにおけるロックフェラーの顧問であった。 ロックフェラーは知事としての任期中、3度増税し、支出を拡大させたと保守派から批判されたが、当時の州知事は、例えばロナルド・レーガンのような人物でも全員支出を拡大させ、増税を行った。従って、この事をもってロックフェラーが「大きな政府」を支持していると批判することは的を射ていない。
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