公認会計士制度の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 23:08 UTC 版)
鉄道業や製鉄業など巨額の資本調達を行う産業によって、会計不正の影響が大きくなった。投資の安全性を第三者が証明するために会計の専門家の需要が急増し、会計士の組合である会計士協会が設立された。イギリス最初の会計士協会は1853年のエディンバラ会計士協会であり、1854年には国王の勅許を受けて世界初の公認会計士(英国勅許会計士)が誕生した。アメリカでは1880年代に会計士の需要が高まり、イングランドやスコットランドから多数の会計士が渡って会計事務所を設立する。1882年に会計士協会(The Institute of Account)、1887年にアメリカ会計士協会(英語版)(AAPA)が設立され、1896年に公会計士業を規制する法律(公認会計士法)が成立した。19世紀末までに、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スウェーデン、ベルギーなどヨーロッパ各国でも公認会計士協会が設立された。専門化とともに会計教育の制度化が進み、勅許会計士のローレンス・ディクシーは、バーミンガム大学でイギリス初の会計学教授に就任する。のちにロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの教授となり、実務書も執筆した。 欧米では公正・正義を象徴するギリシア神話のテミスやローマ神話のユースティティアなどの彫像を司法施設に置く習慣があり、会計事務所や会計に関する施設にも置かれるようになった。
※この「公認会計士制度の成立」の解説は、「会計史」の解説の一部です。
「公認会計士制度の成立」を含む「会計史」の記事については、「会計史」の概要を参照ください。
- 公認会計士制度の成立のページへのリンク