全日本アマチュア野球連盟発足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/22 15:00 UTC 版)
「全日本野球協会」の記事における「全日本アマチュア野球連盟発足」の解説
1992年バルセロナオリンピックから野球が正式競技になるのに伴い、こうした特例処置をいつまでも続けるわけにはいかず、統一されたアマチュア野球組織を構成し、国際野球連盟や日本オリンピック委員会へ加盟する必要が生じた。各国際機関には既に社会人野球の統轄団体である日本野球連盟が加盟しており、一国一組織の原則から学生がオリンピックへ出場するには日本学生野球協会が日本野球連盟の傘下になるか、解散して統合するしかない状況となっていた。 過去の経緯から学生野球側は社会人野球や体協の傘下になることを嫌い、また社会人野球の傘下になることによって日本学生野球憲章との整合性に問題が出てくることから文部省が懸念を示し、交渉は難航した。しかし、勝てるチーム編成を実施する必要があるというアマチュア野球界の総意やメダル獲得を絶対条件とする世論の動きもあって、それぞれの組織は温存したままで「上部団体」ではなく「代表団体」を構成しようという方向に話がまとまった。 その結果、日本野球連盟と日本学生野球協会が構成しているアマチュア野球の代表組織でありながら、両連盟の上部団体ではないという不思議な組織である全日本アマチュア野球連盟が1990年6月20日に発足した。なお、1991年から1997年までは、社会人野球と大学野球の日本一決定戦として、全日本アマチュア野球王座決定戦を実施していた。(運営上の理由で廃止。) アマチュア野球の上部組織体系の複雑さは、一つには、本連盟を構成している一方の日本野球連盟は体協に加盟しているが、もう一方の日本学生野球協会は体協への加盟に同意していないなど、思想・意識の面でそれぞれの団体の拘りや差異が大きな一因になっている。日本野球連盟は体協のみに加盟、日本学生野球協会は、体協にも日本オリンピック委員会にも所属・加盟せず、両者の代表組織である当連盟が、日本オリンピック委員会にのみ加盟(体協には非加盟)している団体となっている。 ただし、日本オリンピック委員会と国際野球連盟に加盟し、対外的に日本の野球界を代表しているのは全日本アマチュア野球連盟となっている。 なおこの連盟は、日本国内における野球競技の普及過程の複雑さの影響で、現状としては、広義の意味での日本国内のアマチュア野球全体を束ねる組織ではなく、あくまで日本野球連盟と日本学生野球協会のみを対象としている。全てのアマチュア野球関連団体の構図・詳細については日本のアマチュア野球の項を参照の事。
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