入信理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 18:09 UTC 版)
平成期~2000年代以後現在の新宗教の信者の大半は、二世信者以降となっており、誕生して幼い頃から家庭環境やコミュニティの影響等によりその宗教に接しているため、特別な入信動機は存在しないことが多い。初代の信者の入信動機で最も広くみられるのは、「病気による苦境」である。かつての新宗教の入信動機は、貧困といった経済的事由、病気をはじめとした健康問題、人間関係のトラブル(いわゆる「貧・病・争」)といった精神的苦痛が、多数を占めており、剥奪的動機により説明されることが多かった。しかし、戦後の高度経済成長期の終盤を迎えるころから、入信動機に精神的な満足や充足を求める割合が増えている。こうした変化はあるものの、新宗教においては現世的なものが重要な役割を果たしている。新宗教では、苦難に遭遇した理由や原因を説明することも多く、こうした悩みに対し、既存の伝統宗教にも共通する神仏への信仰のみならず、特別な力を持つとされる教祖への個人崇拝的信仰、勤行読経・唱題、手かざし、先祖供養等の方法により、悩みを直接的に解決できると打ち出すことも多いが、多くの場合、もっとも重要とされるのは本人の「心なおし」である。過去の心の在り方を反省し、心の持ち方を改め、他者に常に善意と感謝を持って対することが最も重要とされている点は、多数の新宗教教団に共通している。新宗教の教えとは「心なおし」の教えといってよいほど、多数の教団の教えの核心部分にこの「心なおし」が関わっている。
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