先行研究の調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:13 UTC 版)
研究テーマが決まったら、まず先行研究を調査する必要がある。先行研究は著書、学術雑誌に投稿された論文などという形でなされており、書店や古書店、図書館、インターネットなどで探すことができる。自分のテーマと関係する先行研究を探すためには、研究目録、歴史辞典などを見たり、その分野の入門書の参考文献を見たり、インターネット上でCiNiiや国立国会図書館のNDL online、大学図書館のOPACで検索することが必要である。本や論文を入手したら、それを読んで他の先行研究を探したり、読むべき史料を見つけたりすることで芋づる式に調査が可能である。先行研究を読んだあとは、論文を執筆するにあたって、それを参考文献として明示しなくてはならない。もし直接参考にしたのに参考文献として書かなかった場合は剽窃・盗用として、罰則を受けなければならなくなるため、注意が必要である。 また、個別的な研究を調査する前に、通説や通史を把握しておくことも必要である。大学で使われる歴史学の教科書や、シリーズ物の通史として、岩波講座、中央公論社や講談社、岩波書店、吉川弘文館などの「○○の歴史」シリーズなどが出版されている。これらの一般向けの歴史書の中には新書として出版されたものや文庫化されているものもあるため、図書館に行かなくても、書店で簡単に入手することができる。なお、歴史本のなかには、学術的な研究に用いるにはふさわしくない本も多くある。それを判別するのは難しいが、一次史料を利用しているかどうかや学会で定評あるその分野の基本書とされる先行研究を載せているかどうかなどを見て、歴史学の正当な手続きが踏まれているか調べればよい。また、歴史小説などは原則として利用できないが、「歴史小説」自体の研究を行う場合などはその限りでない。
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