債務者に帰責事由のある場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 02:59 UTC 版)
「履行不能」の記事における「債務者に帰責事由のある場合」の解説
債務者に帰責事由のある履行不能の場合には、債務不履行の問題となり、債務者が損害賠償責任を負う(民法415条2文)。これは、双務契約であるか片務契約であるかを問わない。また、契約による債務であるかそれ以外の原因による債務であるかも問わない。「不可能なことは債務ではない」の原則が適用されない(同原則により債務が消滅した上であらためて債務者が民法415条による法定責任を負うということではない)ので、債務は後発的不能により損害賠償責任に転化して存続する(つまり、債務は消滅しない)ものと観念される。これを債権者側から見れば、債権が損害賠償請求権に転化して存続するということになる。 契約による債務については、さらに、債権者に解除権が発生する(民法543条本文)。全部不能か一部不能であるかを問わない。債権者が解除権を行使すれば、契約当事者双方に原状回復義務が発生する(民法545条1項)。これにより債権者は反対給付を免れることができる。その場合、金銭を返還する債務者は受領時からの利息を付して返還する(民法545条2項)。なお、原状に復してもなお債権者に損害が残る場合には、債務者に対してその賠償を請求できる(民法545条3項)。
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債務者に帰責事由のある場合
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「履行不能」の記事における「債務者に帰責事由のある場合」の解説
債務者に帰責事由のある履行不能の場合には、債務不履行の問題となり、債務者が損害賠償責任を負う(民法新415条1項本文)。填補賠償の請求も可能である(民法新415条2項1号)。履行不能が原始的不能によるものであっても同様である(民法新412条の2第2項)。これは、双務契約であるか片務契約であるかを問わない。また、契約による債務であるかそれ以外の原因による債務であるかも問わない。債務は履行不能により損害賠償責任に転化して存続する(つまり、債務は消滅しない)ものと観念される。これを債権者側から見れば、債権が損害賠償請求権に転化して存続するということになる。 契約による債務については、さらに、債権者に無催告解除権が発生する(民法新542条1項1号・2項1号)。全部不能の場合には全部解除となり、一部不能の場合には一部解除となる(同上)。債権者が解除権を行使すれば、契約当事者双方に原状回復義務が発生する(民法545条1項)。これにより債権者は割合に応じて反対給付を免れることができる。その場合、金銭を返還する債務者(例:家を売り代金受領後引渡し前に放火で家が滅失)は受領時からの利息を付して返還し(民法545条2項)、金銭以外の物を返還する債務者(例:家と賃貸アパートを交換しアパートの引渡し後家引渡し前に放火で家が消失)は受領時からの果実を付して返還する(民法新545条3項)。なお、原状に復してもなお債権者に損害が残る場合には、債務者に対してその賠償を請求できる(民法新545条4項)。
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