健康影響や社会的影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 14:16 UTC 版)
「エルニーニョ」の記事における「健康影響や社会的影響」の解説
エルニーニョの周期に関連した極端な気象状況は、流行性疾患の発生率の変化と相関がある。例えば、エルニーニョの周期は、マラリア、デング熱、リフトバレー熱など蚊によって伝染する病気のリスク増加と関連がある。インド、ベネズエラ、ブラジル、コロンビアにおけるマラリア周期は、現在エルニーニョと関連がある。別の蚊媒介性疾患であるオーストラリア脳炎(マレーバレー脳炎)のアウトブレイクは、ラニーニャ現象に関連する大雨と洪水の後、オーストラリア南東部の温帯で発生する。 1997-98年のエルニーニョの最中にケニア北東部とソマリア南部で極度の降雨が発生し、リフトバレー熱の深刻な突発感染が起こった。 またENSOの状態が、北太平洋を横切る対流圏の風と連携したことで、日本や米国西海岸における川崎病の発生率とも関連性があったとする研究もある。 このほか内戦と関連している可能性もある。コロンビア大学地球研究所の科学者達は1950-2004年までのデータを解析し、1950年以降のあらゆる内戦の21%でENSOが何らかの役割を果たした可能性を示唆しており、エルニーニョの影響を受ける国では、ラニーニャ年に比べて内戦発生のリスクが年間3%から6%に倍増するという。
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