偏回帰係数の求め方
- 有効ケース数を n とする。従属変数を Y,p 個の独立変数を Xi( i = 1, 2, ... , p )とする。
- 従属変数の予測値
は,重回帰式
により求められる。
- 以下では図 1 のような独立変数が 2 個の場合を考えることにする。
予測値は予測平面
上にある。
図 1.独立変数が 2 個のときの重回帰分析の模式図
- 実測値 Y との差( 残差 )
を最小にすればよさそうであるが,残差は正負の符号を持つので,その 2 乗和が最小になるように独立変数にかけられる重み bi( 偏回帰係数 )および定数項 b0 を定める。
この手法を 最小二乗法 と呼び,得られる係数を 最小二乗推定値 と呼ぶ。
…… ( 1 )
- ( 1 )式を,b0,b1,b2 で偏微分して 0 とおく。
…… ( 2 )
- ( 2 )式に,変数 Y,X1,X2 の平均値を
,
,
としたときの関係式
…… ( 3 )
および,独立変数 Xi,Xj 間の変動・共変動
および,独立変数 Xi と従属変数 Y の共変動
を代入して整理すると,
という連立方程式( 正規方程式 と呼ぶ )が得られる。
これを解くことにより偏回帰係数 b1,b2 が求まる。
- 一般的な表し方としては,
- 独立変数間の変動・共変動行列を S,独立変数と従属変数間の共変動ベクトルを c,偏回帰係数ベクトルを bとして,( 4 ) 式のようになる。
…… ( 4 )
- S の逆行列を S - 1 とすれば,偏回帰係数は( 5 )式で求められる。
…… ( 5 )
- 独立変数間の変動・共変動行列を S,独立変数と従属変数間の共変動ベクトルを c,偏回帰係数ベクトルを bとして,( 4 ) 式のようになる。
- 定数項 b0 は( 3 )式から求められる。
- 重回帰分析の結果は,表 1 のようにまとめられる。
表 1.重回帰分析結果の表示 偏回帰係数 標準誤差 t 値 P 値 標準化偏回帰係数 X1 31.9670 6.840 4.673 <0.001 0.620 X2 48.0183 12.322 3.897 <0.001 0.478 X3 -29.536 11.990 2.463 0.018 -0.240 X4 -454.373 171.514 2.649 0.011 -0.284 定数項 594.562 789.895 0.753 0.456 t 値の自由度は42
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