偏差値と T 得点
標準化得点は小数点が付くので,これを避けるために
を使うことがある。これを 偏差値と呼ぶ。
注:偏差値に対する曲解
正規分布に従わない場合であっても,累積相対度数からそれに対応する標準化得点を求めることはできる。このようにして得られるものを T 得点と呼ぶ。
例えば順序尺度変数を T 得点に変換するには表 1 のように行う。ここで,データ総数を n,順位を R としたとき,累積相対度数 FR は,
であり,T 得点は
となる。ただし,norminv ( p, μ, σ ) は Microsoft Excel の関数であり,平均値 μ,標準偏差 σ の正規分布において,累積相対度数 p に対するパーセント点を与えるものとする。別に Excel を使わずとも,正規分布のパーセント点の計算により求められる標準得点を換算してもよい。また,同様に標準正規確率表を参照してもよい。
100 から引いているのは,通常は順位が小さいものは得点が大きいということに基づいているので必ずしもそうでなくてもよい。
順位 | 累積相対度数 | T得点 |
---|---|---|
1 | 0.0714 | 64.65 |
2 | 0.2143 | 57.92 |
3.5 | 0.4286 | 51.80 |
3.5 | 0.4286 | 51.80 |
5 | 0.6429 | 46.34 |
6 | 0.7857 | 42.08 |
7 | 0.9286 | 35.35 |
表 1 の計算は,例えば順位が 6 の場合には, FR = ( 6 - 0.5 ) / 7 = 0.7857412 であるから,正規分布のパーセント点の計算では,1 - 0.7857412 に対するパーセント点を求める。結果は Z = 0.791731 である。これを平均値 50,標準偏差 10 の正規分布に換算すると 57.91731 となり,100 - 57.91731 = 42.08269 が求める T 得点である。
この計算は馴れないと面倒だし,間違える可能性もあるので,表 2 のような換算表を使うのが便利かも知れない。上の例は,この換算表を使うと p = 0.7857412 ≒ 0.79 として,下から 3 行目(0.9 の行)の右端の列(0.09 の列)の数値 58.06 を得て, 100 - 58.06 = 41.94 ≒ T となる。
p | 0.00 | 0.01 | 0.02 | 0.03 | 0.04 | 0.05 | 0.06 | 0.07 | 0.08 | 0.09 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.0 | - | 26.74 | 29.46 | 31.19 | 32.49 | 33.55 | 34.45 | 35.24 | 35.95 | 36.59 |
0.1 | 37.18 | 37.73 | 38.25 | 38.74 | 39.20 | 39.64 | 40.06 | 40.46 | 40.85 | 41.22 |
0.2 | 41.58 | 41.94 | 42.28 | 42.61 | 42.94 | 43.26 | 43.57 | 43.87 | 44.17 | 44.47 |
0.3 | 44.76 | 45.04 | 45.32 | 45.60 | 45.88 | 46.15 | 46.42 | 46.68 | 46.95 | 47.21 |
0.4 | 47.47 | 47.72 | 47.98 | 48.24 | 48.49 | 48.74 | 49.00 | 49.25 | 49.50 | 49.75 |
0.5 | 50.00 | 50.25 | 50.50 | 50.75 | 51.00 | 51.26 | 51.51 | 51.76 | 52.02 | 52.28 |
0.6 | 52.53 | 52.79 | 53.05 | 53.32 | 53.58 | 53.85 | 54.12 | 54.40 | 54.68 | 54.96 |
0.7 | 55.24 | 55.53 | 55.83 | 56.13 | 56.43 | 56.74 | 57.06 | 57.39 | 57.72 | 58.06 |
0.8 | 58.42 | 58.78 | 59.15 | 59.54 | 59.94 | 60.36 | 60.80 | 61.26 | 61.75 | 62.27 |
0.9 | 62.82 | 63.41 | 64.05 | 64.76 | 65.55 | 66.45 | 67.51 | 68.81 | 70.54 | 73.26 |
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