作用素の変換とは? わかりやすく解説

作用素の変換

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/23 14:22 UTC 版)

PAW法」の記事における「作用素の変換」の解説

PAW変換により、全電子波関数陽にメモリ上に展開することなく擬波動関数から全電子可観測量計算することが可能となる。このことは、原子核近傍波動関数強く依存するNMRなどの特性計算する際に特に重要である。まず、ある作用素期待値次のように定義されるa i = ⟨ Ψ | A ^ | Ψ ⟩ {\displaystyle a_{i}=\langle \Psi |{\hat {A}}|\Psi \rangle } ここで、全電子波関数から擬波動関数に | Ψ ⟩ = T | Ψ ~ ⟩ {\displaystyle |\Psi \rangle ={\mathcal {T}}|{\tilde {\Psi }}\rangle } のように変換すると、以下を得る。 a i = ⟨ Ψ ~ | T † A ^ T | Ψ ~ ⟩ {\displaystyle a_{i}=\langle {\tilde {\Psi }}|{\mathcal {T}}^{\dagger }{\hat {A}}{\mathcal {T}}|{\tilde {\Psi }}\rangle } 「擬作用素」をチルダ表わすこととして、次のように定義することができる。 A ~ = T † A ^ T {\displaystyle {\tilde {A}}={\mathcal {T}}^{\dagger }{\hat {A}}{\mathcal {T}}} もし A ^ {\displaystyle {\hat {A}}} が局所的ふるまい良い作用素であれば、 T {\displaystyle {\mathcal {T}}} の定義式代入して下のような PAW 作用素変換を得ることができる。 A ~ = A ^ + ∑ i , j | p i ⟩ ( ⟨ ϕ i | A ^ | ϕ j ⟩ − ⟨ ϕ ~ i | A ^ | ϕ ~ j ⟩ ) ⟨ p j | {\displaystyle {\tilde {A}}={\hat {A}}+\sum _{i,j}|p_{i}\rangle \left(\langle \phi _{i}|{\hat {A}}|\phi _{j}\rangle -\langle {\tilde {\phi }}_{i}|{\hat {A}}|{\tilde {\phi }}_{j}\rangle \right)\langle p_{j}|} ここで、添字 i , j {\displaystyle i,j} は全原子についてのプロジェクタを走るものとする通常同一原子上の添字のみを足し上げオフサイト寄与無視することが多い。これを「オンサイト近似」と呼ぶ。 原論文で、 Blöchl補正領域内部局在した任意の作用素 B ^ {\displaystyle {\hat {B}}} についてのこの等式には自由度があると述べている。つまり次のような項が付け加わる。 B ^ − ∑ i , j | p i ⟩ ⟨ ϕ ~ i | B ^ | ϕ ~ j ⟩ ⟨ p j | {\displaystyle {\hat {B}}-\sum _{i,j}|p_{i}\rangle \langle {\tilde {\phi }}_{i}|{\hat {B}}|{\tilde {\phi }}_{j}\rangle \langle p_{j}|} このことはPAW法において擬ポテンシャル実装して原子核によるクーロンポテンシャルをより滑らかなポテンシャル置き換える際の基礎ととらえることができる。

※この「作用素の変換」の解説は、「PAW法」の解説の一部です。
「作用素の変換」を含む「PAW法」の記事については、「PAW法」の概要を参照ください。

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