伊香保線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/09 10:45 UTC 版)
3路線のうち最後まで残った伊香保線は、標高173 mの渋川駅前から標高697 mの伊香保へ全線の平均勾配41.8‰(パーミル)最急勾配57.1‰のルートを渋川市街地を抜けてから87か所の急カーブを切りながら登り降りした。山の下り方向には行き止まりで登り勾配を付けた安全側線を兼ねる待避線が元宿・六本松・大日向診療所・水沢の4か所あり、山を降りる電車はここに入線して登ってくる電車を待機し、対向する電車が通過したのち後退して本線に戻るスイッチバック式を採用した。安全側線でもあるので、ポイントは常に分岐側に開通していた。待機がない場合、乗務員がポイントを操作して通過する。また伊香保線は、地形的に登り坂となる伊香保方面へは主電動機(走行用モーター)の動力で走行していたが、坂を下る渋川方向については停車状態から起動するとすぐ電車のトロリーポールを架線から外し、あとは下り坂の惰性とブレーキの制御だけで渋川の市街地付近まで下っていた。日本の路面電車で急勾配がある路線は多数存在するが、急カーブと急勾配の組み合わせが延々と続くのは珍しい。渋川市街地がわずかに併用軌道で元宿から伊香保が急勾配の専用軌道。国鉄の上りと下りダイヤにあわせるので運転間隔は不均等で、渋川新町から伊香保まで45分を要した。
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