代用ウミガメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 21:36 UTC 版)
「不思議の国のアリスのキャラクター」の記事における「代用ウミガメ」の解説
「:en:Mock Turtle」、「:en:Mock turtle soup」、および「:en:Turtle soup#England」も参照 ハートの女王に半ば命令されたアリスが、グリフォンに連れられてその身の上話を聞くことになる生き物。第9章では、かつて本物のウミガメであった頃に受けたさまざまな授業科目(これらはキャロルの言葉遊びによる、実際の初等教育のパロディになっている)を涙ながらに語り、第10章では「子だらの歌」「ウミガメのスープ」の歌を披露する。 英語では "Mock Turtle(モックタートル)" といい、日本語では「代用ウミガメ(だいようウミガメ)」「にせウミガメ」などと呼ばれる。"Mock Turtle" という名称は、実際にあった "mock turtle soup"(意:海亀スープもどき、海亀スープの模造品)というスープの名から採られたものである。モックタ-トルスープなるものは、緑色をしている海亀スープ (green turtle soup) の代用として当時よりかなり前に開発されていた模造品 (mock) で、高価な貴重品になっていた海亀の肉の代わりに仔牛の頭部を食材として作られる。つまり、海亀スープの模造品から本来存在しない「代用ウミガメ」を創作したのである。テニエルの挿絵では、海亀に牛の頭、後ろ脚、尻尾をつけた姿で描かれる。この姿は、キャロルの友人ダックワースの発案であったという。涙もろい代用ウミガメと気さくなグリフォンは、涙もろく情に流されやすいオックスフォード人気質を揶揄したキャラクターである。 代用ウミガメの話の中で言及される、週に一度だらけ方 (Drawling)、伸び方 (Stretching)、とぐろを巻いて気を失う方法 (Fainting in Coils) を代用ウミガメに教えに来たアナゴの先生は、ジョン・ラスキンを指していると考えられる。ラスキンは実際に週に一度リデル家にやってきて、素描 (drawing)、写生 (sketching)、油絵 (painting in oils) をその子息に教えていた。痩せて面長であったラスキンは確かにアナゴを思わせるところがある。
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