介入の理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 06:28 UTC 版)
カルタゴのシケリア介入の理由としては、第一にセゲスタがカルタゴの従属国になることを求めてきたことがあげられる。これにより、セゲスタは内政と商業活動に関する自由は維持したが、外交政策はカルタゴに委ね、エリミ人地域のカルタゴ駐留軍の費用を支払い、またその保護の謝礼として貢物を送ったと思われる。第二に、カルタゴの行政責任者であり、マゴ王朝(形式上はカルタゴは王制を維持していたが、第一次ヒメラの戦いの敗北以降に王の権力は制限され、元老院が権力を握っていた)の一員であるハンニバル・マゴ(在位:紀元前440年 - 紀元前406年)はギリシア嫌いであった。カルタゴ側からすると、3つの要因を考慮する必要があった。一つにはセリヌスが勝利するとシケリア西部で強大な勢力を有することとなりカルタゴの利権が脅威にさらされること、二つにはセゲスタの従属はカルタゴの領域拡大につながること、第三には他方介入により強大なシュラクサイとの戦争を招く可能性があること、である。カルタゴ元老院は長期の議論を重ね、またハンニバル・マゴの影響力もあり、セゲスタの従属を受け入れ、これを支援することとした。ハンニバル・マゴにはセゲスタ救援のためにあらゆる手段を講じることが認められた。
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