人種差別主義的アイデンティティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/10 19:50 UTC 版)
「最も高潔な人種」の記事における「人種差別主義的アイデンティティ」の解説
詳細は「朝鮮純血主義」および「en:Korean ethnic nationalism」を参照 本書『最も高潔な人種』のは、北朝鮮政府の最重要イデオロギーが極左思想に基づいてはおらず、むしろ、極右思想に基づいていると述べる。2009年の改正により朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法には、もはや共産主義への言及すらなくなった。著者マイヤーズによると、主体思想は北朝鮮の主要イデオロギーではない。むしろ外国人を欺くために、意図的に「主体思想こそが指導原則である」と言っているのではないか、というのが証拠に基づいた著者の推測である。 さらに本書は、北朝鮮国内で黒人のキューバ人外交官が暴徒に襲われた事件や、他民族との混血児を身ごもった北朝鮮女性に中絶が強いられた事件の調査報告を引用し、北朝鮮体制の本質が排外感情と軍国主義にある点を指摘する。本書が論じたところによれば、北朝鮮体制を支えるイデオロギーは、マルクス=レーニン主義ではなく朱子学的儒教思想でもない、むしろ日本型のファシズムとの間に関連が見出せるという。 本書は、政府が自民族を人種差別主義的に規定していることにより、「朝鮮民族」が(外国人とは対照的に)汚れがなく道徳的にすぐれた存在であるが軍事的には脆弱であり、それゆえ金日成のカリスマ的指導と保護を必要とする存在であるとする、優生学的なナショナル・アイデンティティがもたらされていると議論する。ただし、著者マイヤーズによると、これは大衆を統制するために必要な抑圧と監視の総量を北朝鮮政府なりに削減しようとする戦略の一つかもしれない。
※この「人種差別主義的アイデンティティ」の解説は、「最も高潔な人種」の解説の一部です。
「人種差別主義的アイデンティティ」を含む「最も高潔な人種」の記事については、「最も高潔な人種」の概要を参照ください。
- 人種差別主義的アイデンティティのページへのリンク