京都市の芸術橋計画問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/14 04:51 UTC 版)
「ポンデザール (パリ)」の記事における「京都市の芸術橋計画問題」の解説
1997年、京都市内を流れる鴨川の三条大橋と四条大橋の間にポンデザールを模したデザインの歩道橋を架けるという計画が浮上し市議会でも可決されていた。これに文化人や先斗町の女将、ついでに朝日新聞の天声人語までが反対キャンペーンを張り、都市の景観設計、都市開発のあり方を巡り議論が起こった。結果翌1998年、ポンデザール案は撤回された。 この事案について評論家であり東京都立大学名誉教授の渡辺淳は、京都駅前などに見られる既存の雑然とした状態を例に挙げ、かならずしも旧都としての景観が統一されているわけでもない京都において、かつポンデザール自体が派手とは対極にある簡素な造形であるにもかかわらず起こったこのような反対運動を美挙ともてはやす風潮があったことを、島国根性やナショナリズムの発露ではないかと疑問を呈した。仮に計画が実現していたとしても、当初反対のあったエッフェル塔がやがてパリに馴染んだように、京都のポンデザール(仮)が京都の街並みと調和を見せる未来の可能性もあったのではないかとオープンな視点をもつこともすすめ、日本人の「文化創造に課されている問題意識に投じられた一石だともいえるのではないだろうか」と本件の意義を指摘した。
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