亜急性髄膜炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 02:42 UTC 版)
詳細は「結核性髄膜炎」および「真菌性髄膜炎」を参照 亜急性髄膜炎の患者は医師のもと訪れる数日から数週間前に持続性の頭痛、項部硬直、微熱、嗜眠を呈している。脳神経麻痺や寝汗が認められることもある。これらの症状は慢性髄膜炎と重複する。原因菌としては結核菌、クリプトコッカスなどの真菌症、ヒストプラズマ症、コクシジオイデス症、梅毒などが知られている。 結核性髄膜炎は結核菌が血行性に髄膜に広がることによって急性に起こるわけではない。初感染時に結核菌が血行性に髄膜に伝搬して脳実質に粟粒大の結核結節が形成されるとこれらが拡大し、通常は乾酪化する。乾酪化病巣が結核性髄膜炎を起こすかどうかはくも膜下腔への近さと線維性被膜が生じる率によってきまる。上衣下の乾酪化病巣から結核菌と結核菌抗原がくも膜下腔へと放出されると髄膜炎が生じる。結核菌抗原は強い炎症反応を引き起こしこれにより濃厚なな浸出液が産出されて脳底槽を満たし、脳神経や脳底部にある大血管が障害される。 真菌の感染は一般に空気中の真菌胞子を吸入することによって生じる。発熱、咳嗽、喀痰、胸痛を呈することがある。肺感染はしばしば自然に軽快する。肺に限局して感染した真菌はそのまま休止状態にあるが、細胞性免疫に異常が生じると再活性化して中枢神経系に播種する。真菌性髄膜炎ではクリプトコッカス症が多い。 梅毒はしばしば病初期に中枢神経に浸潤する。顔面神経麻痺と内耳神経が障害される。
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