五郎八姫とは? わかりやすく解説

五郎八姫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/10 09:55 UTC 版)

五郎八姫像(瑞巌寺宝物館蔵)

五郎八姫(いろはひめ、文禄3年6月16日1594年8月2日)- 寛文元年5月8日1661年6月4日[1])は、徳川家康の六男・松平忠輝の正室。伊達政宗の長女。母は正室の愛姫田村清顕の娘)。出家後の院号天麟院(てんりんいん,墓所は宮城県松島町の天麟院)。

生涯

越後高田城三重櫓(新潟県上越市)
天麟院天麟院霊屋(宮城県松島町)

文禄3年(1594年)6月16日、京都聚楽第屋敷にて生まれた。政宗と正室の愛姫との間に結婚15年目にして初めて授かった待望の嫡出子であった。

後継者となる男児誕生を熱望していた政宗は男子名である『五郎八』しか考えておらず、生まれたのは女児であったが、そのまま五郎八姫と命名したといわれている[2]

五郎八姫は、聚楽第から伏見大坂と各地を転々としたが、慶長4年(1599年)1月20日に有力大名との関係を深めようとする徳川家康の策謀の一つとして、家康の六男・松平忠輝越後高田藩初代藩主)と婚約することとなる。慶長8年(1603年)には伏見から江戸に移り、慶長11年(1606年)12月24日に忠輝と結婚した。忠輝との仲は睦まじかったが子供は生まれなかったと言われている。ただし伊達家の記録によると江戸の伊達屋敷に戻された後、男児を出産したとある。 その男子は黄河幽清と名乗り、五郎八姫の菩提寺である天麟院の二代目住職を務めたという。

元和2年(1616年)、忠輝が改易されると離縁され、父の政宗のもとに戻り、以後は仙台で暮らし、仙台城本丸西館に住んだことから、西館殿とも呼ばれた。寛文元年(1661年)5月8日、死去。享年68。墓所は松島の天隣院[3]

逸話

  • 大変美しく聡明であり、父・政宗を「五郎八姫が男子であれば」と嘆かせたほどであった。聡明な五郎八姫を同母弟であり仙台藩2代藩主の伊達忠宗も頼りにしていたという(2人は共に愛姫との子)。
  • 生母の愛姫が一時期キリシタンだったことから、五郎八姫もキリシタンだったといわれている。五郎八姫は20代前半で忠輝と離婚したのち終生再婚しなかったが、これも離婚を認めないキリシタンの教義に従ったためとする説がある。
  • 五郎八姫は京都で生まれ育っていることから、言葉や風習も京風であったため、離婚後、仙台に移り住んだ際には、なかなか東北弁や東北の暮らしに慣れず、苦労したといわれている。

登場する作品

脚注

  1. ^ 五郎八姫』 - コトバンク
  2. ^ 「御男子の故を以て名付け玉へるは、北御方(正夫人の意、ここでは愛姫を指す)の御腹に嗣君誕生し玉はん事をあらかじめ祝し玉ふと云云」(『伊達治家記録』より)。
  3. ^ 瑞巌寺青龍殿(宝物館)には、父・伊達政宗像と母・陽徳院愛姫像と共に、尼僧姿の嫡女・天麟院五郎八姫像も展示されている。

外部リンク


五郎八姫

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独眼龍改」の記事における「五郎八姫」の解説

4巻のおまけページで2コマだけ登場した政宗と愛の娘。髪は父親似、顔は母親似

※この「五郎八姫」の解説は、「独眼龍改」の解説の一部です。
「五郎八姫」を含む「独眼龍改」の記事については、「独眼龍改」の概要を参照ください。

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