互酬の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 19:02 UTC 版)
贈与 贈与とその返礼は、互酬にもとづいて行われた。祭事、結婚、葬儀をはじめとして贈り物がなされ、社会的地位を保つために返礼が重要とされる。有名な例として、アメリカ大陸北西部の儀式であるポトラッチがあげられる。ヴァイキングは威信財の贈与を盛んに行い、時には詩のような物財ではない贈り物も用いられた。 婚姻 婚姻と結びついた互酬としては、ニューギニアのバナロ族(クロアチア語版)やアフリカのティブ族の制度がある。バナロ族では4組以上の男女の組が同時期に婚姻を行い、それぞれの相手は互酬集団の他の人間と親族となった。親族は贈与、労働などの他の互酬活動と密接に結びつく。 労働 共同作業とつながりを持つ互酬としては、ダホメ王国のドックプウェ、インドネシアのゴトン・ロヨン、日本の結があり、トロブリアンド諸島の畑仕事はメンバーや労働の性質によって5つに分けられている。 森林、水資源、草地などの共有資源(ローカル・コモンズ)の管理も、互酬によって行われている。 古代ギリシアにおいてはアリストテレスが唱えた相互依存の原理(アンティペポントス(希: ἀντιπεπονθότος、英: antipeponthos))も互酬に含まれる。ヘシオドスの『仕事と日』は、部族社会の変化で互酬関係が衰えた時代を描いたという解釈もされている。 寄付 寄付の制度としては、イスラームのザカートや、土地信託も含むワクフが存在する。ワクフは慈善として不動産や公共施設にも用いられるため、再配分としての機能も持っている。
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