二重偏光干渉法とは? わかりやすく解説

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二面偏波式干渉法

(二重偏光干渉法 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 02:44 UTC 版)

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二面偏波式干渉法(にめんへんぱしきかんしょうほう、: Dual-polarization interferometryDPI)は、レーザー光エバネッセント波を利用して、導波路英語版の表面に吸着した分子層を探索する分析手法である。これは、タンパク質やその他の生体分子が機能する際のコンフォメーション変化を測定するために使用される(コンフォメーション活性相関英語版と呼ばれる)。

計装

DPIは[1]、レーザー光を2つの導波路に集束させる。これらのうち、1つは露出面を持つセンシング導波路として機能し、もう1つは参照光束を維持するように機能する。2つの導波路を通過した光を合成することで、遠方界に2次元干渉パターンが形成される。DPI技術は、レーザーの偏光を回転させて、導波路の2つの偏光モードを交互に励起するものである。両方の偏光の干渉パターン(インターフェログラム)を測定することで、屈折率(RI)と吸着層の厚さの両方を算出することができる。偏光を高速で切り替えることができるので、流動系中でチップ表面で起こる化学反応をリアルタイムで測定できる。これらの測定値は、分子サイズ(層の厚さから)と折りたたみ密度(RIから)の変化に応じて、発生する分子相互作用に関するコンフォメーション情報を推測するために用いられる。DPIは通常、反応速度親和性熱力学の測定と同時に、あらゆるコンフォメーション変化を定量化することにより、生化学的な相互作用の特性を明らかにするために使用される[要出典]

この手法は、0.01 nmの寸法分解能で定量的かつリアルタイム(10 Hz)である[2]

用途

2008年、二面偏波式干渉法の新しい応用として、導波路を通過する光の強度が結晶成長の存在下で消滅するものが登場した。これにより、タンパク質の結晶核生成の最も初期の段階を観察できるようになった[3]。後のバージョンの二面偏波式干渉計は、複屈折薄膜の秩序や秩序の乱れを定量化する機能も備えている[4]。これは、たとえば、脂質二重層の形成や膜タンパク質との相互作用を研究するために用いられている[5][6]

脚注

  1. ^ Cross, G; Reeves, AA; Brand, S; Popplewell, JF; Peel, LL; Swann, MJ; Freeman, NJ (2003). “A new quantitative optical biosensor for protein characterisation”. Biosensors and Bioelectronics 19 (4): 383–90. doi:10.1016/S0956-5663(03)00203-3. PMID 14615097. 
  2. ^ Swann, MJ; Freeman, NJ; Cross, GH (2007). “Dual Polarization Interferometry: A Real-Time Optical Technique for Measuring (Bio)Molecular Orientation, Structure and Function at the Solid/Liquid Interface”. In Marks, R.S.. Handbook of Biosensors and Biochips. Vol. 1. Wiley. Pt. 4, Ch. 33, pp. 549–568. ISBN 978-0-470-01905-4 
  3. ^ Boudjemline, A; Clarke, DT; Freeman, NJ; Nicholson, JM; Jones, GR (2008). “Early stages of protein crystallization as revealed by emerging optical waveguide technology”. Journal of Applied Crystallography 41 (3): 523. doi:10.1107/S0021889808005098. 
  4. ^ Mashaghi, A; Swann, M; Popplewell, J; Textor, M; Reimhult, E (2008). “Optical Anisotropy of Supported Lipid Structures Probed by Waveguide Spectroscopy and Its Application to Study of Supported Lipid Bilayer Formation Kinetics”. Analytical Chemistry 80 (10): 3666–76. doi:10.1021/ac800027s. PMID 18422336. 
  5. ^ Sanghera, N; Swann, MJ; Ronan, G; Pinheiro, TJ (2009). “Insight into early events in the aggregation of the prion protein on lipid membranes”. Biochimica et Biophysica Acta 1788 (10): 2245–51. doi:10.1016/j.bbamem.2009.08.005. PMID 19703409. 
  6. ^ Lee, TH; Heng, C; Swann, MJ; Gehman, JD; Separovic, F; Aguilar, MI (2010). “Real-time quantitative analysis of lipid disordering by aurein 1.2 during membrane adsorption, destabilisation and lysis”. Biochimica et Biophysica Acta 1798 (10): 1977–86. doi:10.1016/j.bbamem.2010.06.023. PMID 20599687. 

推薦文献


二重偏光干渉法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 14:02 UTC 版)

フォールディング」の記事における「二重偏光干渉法」の解説

詳細は「二面偏波式干渉法」を参照 二重偏光干渉法は、分子層光学特性測定する表面ベース技術である。タンパク質のフォールディング特徴づけるために使用される場合タンパク質単層全体的なサイズとその密度をサブ・オングストーム分解能リアルタイム測定することによってコンホメーション測定するが、タンパク質フォールディング速度論リアルタイム測定は、~10 Hzよりも遅いプロセス限られている。円偏光二色性同様にフォールディングのための刺激変性剤または温度である可能性がある。

※この「二重偏光干渉法」の解説は、「フォールディング」の解説の一部です。
「二重偏光干渉法」を含む「フォールディング」の記事については、「フォールディング」の概要を参照ください。

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