事故調査の弱点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/19 13:46 UTC 版)
「東海道新幹線大阪運転所脱線事故」の記事における「事故調査の弱点」の解説
本線冒進が二説併記されるという異例の体裁となったことには、いくつかの要因が挙げられる。 車上ATC装置には印字記録装置が設置されていたが、装置が旧式のため印字記録は4秒間隔でしか行なえない。このため異常が発生しても、4秒未満であれば記録されない。また、入力情報が急激な変化を伴うと記録が欠落することがある。 ATC信号受信に添線軌道回路を設置していたが、受信を確実なものとするため二重系にする対策を進めていたものの、事故発生時点でも一重系の区間が残存していて、大阪運転所出庫線もこの時点では一重系であった。このため信号受信不安定の可能性も疑われたものの、再現試験では発生しなかったためにそれ以上深く掘り下げた調査をされることはなかった。 調査団の検討会では運転士の証言に誤りがある可能性も検討され、一部委員からは「証言を前提とした調査は無意味」との意見も出された。しかし、誤りを立証できる証拠が発見されなかったため、証言に基づく想定も残すべきとの調査団長の判断により併記されることとなった。 岐阜羽島駅や名古屋駅で繰り返していた大規模な過走事故との関連は、速度計軸たる先頭軸の制動を滑走検出後は遮断するという一応の対策を取っていたこともあって、検討されることはなかった。
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