乙6000形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 04:11 UTC 版)
「東京都交通局6000形電車 (軌道)」の記事における「乙6000形」の解説
1978年(昭和53年)に荒川線で運用されていた6000形のうち、6209 - 6213の5両を改造して登場した電動無蓋貨車。車両番号の前に電動無蓋貨車を意味する形式称号である「乙」が付いた以外は同一番号である。 6000形の窓から上の部分を撤去しただけのもので、本来の無蓋貨車の用途である貨物輸送用に改造されたものではない。 この乙6000形は、同年の都電荒川線完全ワンマン運転化の際に運行された花電車の種車として改造されたものである。花電車自体は各地の路線が廃止された際にも運行されていた。しかし、無蓋車を使用した本格的な花電車の運行は1959年(昭和34年)の皇太子明仁親王の御成婚奉祝の花電車が運行されて以来で、1968年(昭和43年)までに花電車の種車専用に運用されてきた無蓋台車「花」が全車解体され存在していなかったため、ワンマン化によって使用されなくなる6000形を急遽改造したものである。 この花電車は12日間運行された。3月31日までは改造対象から外れた6000形が側面に「ながい間ご愛用ありがとうございました 東京都交通局」という横断幕を掲げて先導車を務めた。新年度となった翌4月1日からは6000形に代わって新装なったばかりの真新しい更新7000形が先導車を務めた。この花電車の運行にあたり、12日間でおよそ50万人がその模様の見物に訪れたといわれている。 運行終了後は次の花電車の運行に備えて休車となり、荒川車庫で保管されていた。しかし、半ば無理矢理な改造が原因で車体に捻れが発生し、1981年(昭和56年)に廃車・解体された。荒川線で本格的な花電車専用車両は、2011年に7500形から改造された花100形まで待つこととなる。
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