主人公と家族、その恋人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:09 UTC 版)
深見進介 京都帝国大学経済学部学生。友人からは「顎」と呼ばれ、また蒟蒻のおでんが好物であることから「深見の蒟蒻か、蒟蒻の深見か」と言いはやされている。実家からの仕送りが少なくアルバイトにもありつけないこともあって経済的に苦しい日々を送る一方で、北住由紀とは恋の決着を迫られ、また日中戦争直前の息詰まるような厳しい政治状況のなかで、今後自分が進むべき道は何なのかを思い定めようとしている。あまり余裕のない生活を送っていることから、自分は他の豊かな学生よりも金銭について切実な考えを持っていると自負している。かなり我の強い性格で特に小泉らのグループとの間で心理的な軋轢を引き起こす一方、より急進的な永杉らのグループには同志的友情を感じながらもその「仕方のない正しさ」に違和感を覚えている。激すると涙を流すことがある。 1945年時点においては大阪の軍需工場に勤務し、ある部門の責任者の地位にある。 深見の父 大阪府庁の下級官吏。深見の母の病気のためあまり仕送りを送ってやれないこと、「思想問題に注意していたずらに徒党に与せぬ」ようにとの旨を書き送ってくる。 北住由紀 深見の恋人で小柄な愛くるしい女性。大阪で教員をしている。最近の深見の情熱の高まりに圧迫感を覚え、次第に距離を置こうとしており、別れを告げる手紙を送ってきた。
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