主な防火帯の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 10:09 UTC 版)
大規模な森林火災の際は、火勢が強過ぎて消火活動が追い付かない場合も多いため、あらかじめ防火活動の一環として延焼が予想される地域の樹木を伐採する。公益的に見て必要な場合は、森林法で定められている防火保安林として管理されることがある。こうした場所では、必要に応じて帯状に散水して延焼を防止することもある。 日本の江戸時代において、喧嘩と並んで華とされた江戸の火事では、当時の消防隊である火消しが行った消火活動は、まだ無傷の家屋の屋根に上って火の粉を払って延焼を食い止めるか、延焼中の家屋を引き倒して防火帯とし、隣家への延焼被害を食い止めるというものが主であった (破壊消火)。 化学プラント等の防火帯においてはスプリンクラー設備などの防火・冷却設備等を備えた側溝が設計工事段階から設けられ、火災発生時には延焼を防ぐと共に、原料などが加熱して爆発したり有毒ガスが発生しないよう、設備を冷却するという、文字通り「火を防ぐ」積極的な機能を持っているものもある。 太平洋戦争期の日本の大都市では空襲による火災が市街地全体へ延焼することを防ぐため建物疎開と言う名目で防火帯が整備された。実際の空襲では防火帯をまたいで焼夷弾が降り注ぐため効果が薄かったが、戦後は防火帯として整備された用地を活用して広島市の平和大通り、京都市の御池通、五条通及び堀川通などの広幅員道路(疎開道路)が整備された。
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