中国軍の戦略としての人海戦術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 04:11 UTC 版)
「人海戦術」の記事における「中国軍の戦略としての人海戦術」の解説
中国国民党は、中国共産党軍が平民を人間の盾として、国民党軍陣地につき出しているとして「人海戦術」と呼んだ。そもそも漢字での「人海戦術」という一連の用語は、毛沢東の造語であるとの説もある。毛沢東が豪語したように、「人民の海に敵軍を埋葬する」ことが戦略としての人海戦術である。具体的には日本軍を点と線に封じ込め、その周囲を積極的な浸透工作によって獲得した敵性の住民の住む領域で包囲することである。こうした敵性の地域が広がれば、軍の遊撃、ゲリラ戦なども容易になり、追撃されても分散と逃亡も容易になる。このため、日中戦争は第二次国共合作以降、まさに非対称戦争の様相を呈し始めた。 そういった意味でも、「戦術」ではなく「戦略」と捉えたほうが妥当かもしれない。現在も人民戦争理論に基づき、人民公社単位で中国民兵を編制した体制を維持している。外国の攻撃があった場合、人民公社単位、村単位で民兵が抵抗し、正規軍が反撃を行うのである。 しかし、中越戦争で古典的な人海戦術は限界を見せたことにより、中国人民解放軍も近代的なドクトリンで修正するようになった。
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