中国初の宇宙遊泳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 09:34 UTC 版)
9月27日、中国製の宇宙服「飛天」を着た翟志剛は22分間の宇宙遊泳を行い、宇宙遊泳を行った初の中国人となった。翟志剛は16時43分、頭を先にして軌道モジュールを離れ、軌道モジュールの周囲を漂って実験用のサンプルを集め、宇宙に中華人民共和国の国旗をはためかせた。翟志剛は17時に軌道モジュールに戻った。宇宙遊泳の際にはケーブルで繋がれていたため、行動ルートは宇宙船の出口周辺に限られた。ロシア製の宇宙服「海英」を着た劉伯明は、緊急の場合に備えて軌道モジュールのエアーロックの場所で待機していた。劉伯明も8時58分(UTC)から宇宙遊泳を行い、翟志剛に国旗を手渡した。その頃、景海鵬は帰還モジュールに留まり、宇宙船の状況を観測していた。9時(UTC)までに、2人とも宇宙船に戻り、ハッチは閉じられた。この宇宙遊泳の様子は、2台のパノラマカメラによって撮影され、中国メディアに生中継された。 中国が開発した宇宙服である飛天は、ロシアの海英と似た形、大きさに作られ、酸素の供給やゴミの排出が可能で、7時間の宇宙遊泳に耐えられるように設計されている。中国のメディアによると、耐火性、耐放射性を備えた素材は、いくつかの中国の民間企業と国立研究所が製造したという。宇宙服には1着当たり3000万人民元の費用がかかったと言われている。飛天の手袋を除き、宇宙服は地球に持ち帰られなかった。 宇宙遊泳の開始時にコントロールセンターで火災報知機が鳴ったが、誤報であった。
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