中国の環境保護法制度の概略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 02:50 UTC 版)
「中国の環境問題」の記事における「中国の環境保護法制度の概略」の解説
1982年に制定された中華人民共和国憲法においては、環境保全に関する規定がいくつかある。第26条第1項は、「国家は生活環境および生態環境を保護、改善し、汚染およびその他の公害を防除(原語は「防治」)する。」とし、国家の環境保全の責務を定める。また第9条は、その第1項において鉱物資源、水流、森林、草原などの自然資源が国有または集団所有に属することを定め、第2項第1文では「国家は自然資源の合理的な利用を保障し、貴重な動植物を保護する。」として、やはり国家の責務としての規定をおいている。つづいて第2文は、「すべての組織ないし個人は、いかなる手段を以っても自然資源を横領し破壊してはならない」とし、国民の義務の側から規定をしている。なお、環境の保全に対する権利を定める規定はない。中国の環境保護法制は、これらの憲法上の環境関連法規を頂点とし、環境保護の基本法である「環境保護法」が、環境政策の基本理念・基本方針・基本制度・基本的措置を総合的に定める。と同時に個別領域ごとの環境法令群は、この「環境保護法」に依拠すべきとされる。環境保護法は、1979年に制定され(このときは「試行」)、その後1989年に改正され、2014年に再改正され、翌2015年から施行されている。個別領域ごとの環境法令群には、環境汚染防治に関する法、自然資源に関する、物質循環に関する法令群などに分けられる。
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