並行宇宙/別の時間線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 20:11 UTC 版)
「親殺しのパラドックス」の記事における「並行宇宙/別の時間線」の解説
「並行宇宙の集合体」があると考えたとき、時間旅行者が祖父(あるいは親)を殺すのは別の並行宇宙で行われ(あるいは、その行為によって別の並行宇宙が生まれ)、その並行宇宙では時間旅行者に対応する人物は存在しない。しかし、彼がもともといた宇宙では何も起きていない。つまりこの考え方でいけば、過去へのタイムトラベルが可能だとしたら、未来の複数のバージョンが並行宇宙として存在していることになる。これはある人物が過去に遡って自分自身を殺す場合にもあてはまり、その人物が死んでいる未来とその人物が生きている未来が並行して存在することになる。 物理学における並行宇宙の仮説として、次の例がある。 エヴェレットの多世界解釈 量子力学の理論の一つで、ゼロでない確率のあらゆる無作為な量子事象は全てそれぞれ異なる「世界」で実際に起きており、歴史(時間線)は常に様々な「世界」に分岐している。物理学者デイヴィッド・ドイッチュは過去に遡るタイムトラベルが可能だとしたら、時間旅行者が遡った先は出発点とはことなる歴史の枝になるだろうと主張した。 M理論 6つの超弦理論を統合した仮説的な理論だが、今のところほとんど不完全である。M理論から導かれるアイデアの一つが、brane と呼ばれる3次元の膜の形で複数の宇宙が空間の第4の次元(いわゆる4次元といったときの時間とは異なる)上で並んでいるという仮説である(ブレーンワールド)。しかし多世界解釈とは異なり、物理学界から brane が歴史の一つのバージョンに対応しているという主張はなされておらず、タイムトラベルが brane から brane への旅行だという主張もない。我々の銀河系と良く似た他の銀河が(我々の銀河系の)パラレルワールド的存在の銀河ではなく、単に別個の銀河として存在しているだけの様に、我々の宇宙であるブレーンと他のブレーンの関係も互いに別個の独立したブレーンでしかないとする見方がシンプルでありごく自然だからである。
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