世界での例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 03:23 UTC 版)
現在イギリスの庶民院(下院)では、選挙区に土着した候補者よりも落下傘候補のほうが多くなっている。この体制は19世紀に問題化した腐敗選挙区、懐中選挙区を解消し、政党本位の選挙制度、二大政党制へ移行する過程でトーリー党(現・保守党)とホイッグ党(現・自由民主党)を中心に確立したとされる。 「イギリス総選挙#概要」および「腐敗選挙区#歴史的背景」も参照 アメリカ合衆国では、19世紀まで存在した5分の3条項(下院議員・大統領選挙人定数の計算に使う人口を、奴隷は100人につき一般市民60人相当とする)により、南部各州の議員定数が多くなっていたため、南北戦争前後に南部へ乗り込む北部人(カーペットバッガー)が目立った。このため選挙法の見直しが行われ、選挙区において3か月以上住民でなければ、選挙区で立候補をすることが出来なくなった。現在では「カーペットバッガー」という英単語は、落下傘候補を指す侮蔑語として使われる。 詳細は「カーペットバッガー#州ごとの政治」および「奴隷権力#南部が持っていた権力」を参照 「アメリカ合衆国の奴隷制度の歴史#緊張の高まり」も参照 ヘゲモニー政党制を採用する共産主義の国会においては、候補者は党中央の指名によって決まるため、選挙区に土着している必要がないので、全候補者が落下傘的に選挙区を割り当てられることがある。特に朝鮮民主主義人民共和国の最高人民会議では、選挙区がすべて数字で表記される上に、番号の付与も地続きではなく、詳細な立候補先選挙区も全て朝鮮労働党中央委員会によって恣意的に決まるため、最高幹部が毎回違う地域、選挙区番号で立候補し、信任投票となることも多い。 「最高人民会議#選挙資格」も参照
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