上越市購入の打診と白紙化
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2016年8月23日、新潟県上越市市長の村山秀幸が定例記者会見にて、個人が所有する山鳥毛を自治体で購入する方針を明らかにした。上越市によると景勝が1598年に春日山城から離れた際に上杉家ゆかりの品々が市内を離れたことから、謙信ゆかりのものを集めることを歓迎する声があるとしている。この時の研究者による評価額は3億2000万円とされる。同年9月6日には「国宝謙信公太刀(山鳥毛)収集市民会議」が発足し、購入のための資金獲得に動き始めた。それに対し、税金での購入に反対を示す署名活動が行われ、2017年3月22日に265名分の税金購入への反対署名が提出された。『山陽新聞』では岡山県外への文化財の流出を懸念する記事を載せるなどの反響が見られる。また購入にあたる税金の利用には反対という声もあり、市民有志が2017年2月に開いたフォーラムでは市長の他賛成派反対派合わせて約100人が参加した。上越タウンジャーナルの2016年9月時点での調査では、アンケートで47%の上越市の住民が反対の意志を示している。上越市は2017年4月時点で、同年度予算案に購入費として3億2000万円を設定し、購入後はふるさと納税や寄付金などをその資金に充てる方針を示していた。しかし市の予算である3億2000万円に対し、所持者はそれに加えて上乗せされた金額である5億円を希望していたという齟齬が2017年5月に明らかになり、金額の折り合いがつかず最終的に上越市は山鳥毛の購入を断念した。この時の寄付金計7350万円はほぼ同年度末までに返還された。この時、日本骨董学院学院長の細矢隆男は週刊誌の『日刊ゲンダイ』の取材に対し、本作が海外にて高額で落札され流出してしまう懸念を示している。
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