三相誘導電動機の始動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:56 UTC 版)
電動機の始動時は回転速度が 0 すなわち、すべりはほぼ 1 である。誘導電動機は最大トルクを極大化するように設計されているため、回転子の電気抵抗は極めて低く、また、漏れリアクタンスは小さく設計されて。このことはすなわち始動時には力率の低い、大きな突入電流が流れることを意味する。小型の電動機では始動時間も短く突入電流も電源に与える影響も限られていることから直接全電圧を投入するじか入れ始動法を用いるが、中容量以上の電動機は起動トルクを犠牲にしながらも何らかの方法で入力電圧を下げて始動しなければならない。当然に起動時は軸負荷の軽減も同時に必要であるが、電動機にも外側に抵抗の大きな導体棒を、内部に抵抗の大きな導体棒を仕込んだ二重かご形回転子や、くさび形導体棒を用いた深みぞかご形回転子を用いることで回転子内部の漏れリアクタンスを大きく取り、始動時の回転子電流を表面に寄せて突入電流を抑える特殊かご形誘導電動機としている。 巻線形三相誘導電動機においては、スリップリングの先に可変抵抗器(二次抵抗と呼ぶ)を星型に繋ぎ、速度上昇とともに可変抵抗器の値を下げて始動する。二次抵抗を挿入することにより電流は制限されるとともに、負荷と釣り合う点のすべりを移動できるため、速度制御にも利用される。 可変電圧可変周波数制御における始動もまた、供給電圧・周波数ともに下げて始動する。
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