三島の切腹とは? わかりやすく解説

三島の切腹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 10:17 UTC 版)

人斬り (映画)」の記事における「三島の切腹」の解説

人斬り』のもう一つ目玉となる田中新兵衛切腹シーン撮影6月30日行われた新兵衛姉小路公知殺し嫌疑かけられ京都町奉行切腹する場面演じ三島由紀夫映画撮影前、自分出番撮影スケジュール最終日してほしいと五社監督依頼していた。 そして三島は、「私は素人ですからいわれるとおりにしますので何でもいいつけください。ただ切腹場面だけは私に任せてくれませんかと言っていた。五社監督は、三島自主製作映画憂国』で非常にリアルな切腹撮っていたので、このシーン演技はすべて三島一任することにした。 そして撮影日となり、リハーサル前に三島ボディビル鍛えた腹筋を動かすのを見たスタッフが、「三島さん、もういっぺんやって!」と声をかけると、三島喜んで何度も動かして見せていたという。そんなリラックスした雰囲気の中で三島切腹場面臨みフィルムを回す前のリハーサルの時から何度も本気で熱演して身体まっ赤にしていた。 五社監督が、リハーサルだからそんなに今から力を入れなくていい、気を抜いてくれと言っても三島は役に入り込んでいて通じなかった。五社は「一種鬼気」を感じジュラルミンの刀を竹光替えたが、三島はその竹光で腹に横線が付くほど押しつけ、「ムキになってやらなければ出来ないんだ」と言った。そして最後リハーサルでは、自分の腹まで竹光で少し切って血を出してしまった。 私は驚いて、「三島さん竹光怪我されちゃ困る。これは映画なんだから、迫力で躰で出してもらって腹を刺すのは芝居でやってくださいよ。盗むところは自分で力を盗んで……」というと、「わかったわかった、こんな傷なんでもないよ」。こんなやりとり本番入った本番ではあらかじめ腹に管が通してあって、竹光で刺すと血糊が出る仕掛けになっている。ところが三島さん思い切りやった。躰中まっ赤にして、グッと竹光を腹に回したみるみる腹の皮破れていく。見ている我我慄然というか、鬼気せまる迫力シーンとなってしまった。 — 五社英雄演出家の眼」 切腹場面撮り終えた五社監督救急箱持って、「三島さん、この迫力はどんな役者がやってもできない」と三島の腹を治療しながら言った時、三島はまだ興奮冷めやらぬ面持ちであった。そして三島落ち着くと、「やあ、映画てものはいいね。俺はこんなにいい、面白い、楽しい仕事をしたのは初めてだよ。いくら腹を切っても死なねえもんな。すぐ生き返る映画はいいなァ」といつもの豪傑笑いをしたという。

※この「三島の切腹」の解説は、「人斬り (映画)」の解説の一部です。
「三島の切腹」を含む「人斬り (映画)」の記事については、「人斬り (映画)」の概要を参照ください。

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