ワールドハンディキャップシステム (WHS)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 08:34 UTC 版)
「ハンディキャップ (ゴルフ)」の記事における「ワールドハンディキャップシステム (WHS)」の解説
これまで世界中ではさまざまなハンディキャップシステムが使用されており、個々のシステム内の矛盾も多く、あるゴルファーがその所属団体とは別のハンディキャップシステムが使用されている場所で対等に競争することの困難さを解消するため、2011年に R&A と USGA はゴルフの主要統括運営団体として、世界中で使用できる統一ハンディキャップシステムの構築に取り組み始めた。2018年2月には、ワールドハンディキャップシステム (World Handicap System, WHS) を2020年に開始すると発表した。導入後も WHS は R&A と USGA によって管理され、既存の6つの主要なハンディキャップ統括団体(USGA、英国及びアイルランド CONGU(全国ゴルフ協会)、EGA(欧州ゴルフ協会)、ゴルフオーストラリア、SAGA(南アフリカゴルフ協会)、AAG(アルゼンチンゴルフ協会))が地域レベルでシステムを運営する予定となっている。 WHS は米国 USGA のコースレーティングおよびスロープレーティング両システムに基づいており、また USGA ハンディキャップシステムにほぼ準拠していると同時に、6つの主要な既存ハンディキャップシステムの機能も組み込まれている。例えば、ハンディキャップの計算に際し、ネットダブルボギー調整後の8つのディファレンシャルが使用されるのはゴルフオーストラリアのシステムからの流用であり、ネットダブルボギー調整は CONGU 統一システムに倣ったもので、WHS のコースおよびプレイングハンディキャップ計算におけるコースレーティング調整値の導入はEGAシステムに倣ったものである。既に現行のハンディキャップを持っているプレーヤーは、旧システムに残っている記録を用いて WHS ハンディキャップを計算できる;ほとんどのプレーヤーの場合で、仮に差が生じたとしても最大で1ないし2程度だろうと見積もられている。 新しい WHS ハンディキャップを得るには何枚かのスコアカードを提出する必要がある。枚数が少なくてもハンディキャップの算出は可能だが、合理的で公正、且つ正確なハンディキャップ算出のためには、9ホールあるいは18ホールのラウンドからなる最低54ホール分のスコアを提出することが推奨されている。ハンディキャップの更新は9または18ホールのスコアを提出するたびに行われ、毎日公開される。全てのプレーヤーは競技ラウンドとレクリエーションラウンドを問わず両方のスコアを提出してよい(これまで CONGU 統一ハンディキャップシステムではカテゴリー2以上のゴルファーでないと非適格スコアの提出は認められていなかった)。現行のハンディキャップは最良の8つのディファレンシャルの平均値を基に計算されるが、プレーヤーの真の潜在能力を必ずしも反映しない急激な数値増加を避けるための対策がとられている。すなわち、極端にスコアが悪い1つあるいは2つのホールのために不釣り合いな影響が出るのを防ぐため、ネットダブルボギー方式によるホールの最大打数制限もある。 例えば、プレイングハンディキャップが12のプレーヤーは、ストロークインデックス (SI) が1から12までのホールではパー+3打、その他はパー+2打を上限とする。プレイングハンディキャップ24のプレーヤーは SI が1から6までのホールではパー+4打、その他はパー+3打が上限となる。
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