ワームホール型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 00:08 UTC 版)
宇宙空間に存在する空間の虫食い穴「量子特異点」を利用することで、はるかに離れた場所に一瞬で移動する超光速移動である。単純に言えば、ブラックホールからホワイトホールへと空間跳躍する航法で、ブラックホールに突入しホワイトホールから出るといったものである。ただしSF作品においては安定性など何らかの問題があるように描かれることが多い。 『スタートレック』シリーズにおいては、『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』にベイジョーワームホールが登場する。主人公のベンジャミン・シスコ中佐指揮の宇宙ステーション「ディープ・スペース・ナイン/DS9」のごく近くに発見されたこのワームホールは、宇宙艦を惑星連邦領域のアルファ宇宙域から数万光年離れたガンマ宇宙域まで一瞬で移動させる力を持ち、しかも極めて安定している特別なワームホールであった。ワームホール近くに母星を構えるベイジョー人は古代からこのワームホールを「聖なる神殿」とし、その中に棲む超生命体の「預言者」を信仰して独自の宗教文化を確立している。ただしこのワームホールはその有用性から、ガンマ宇宙域の危険な種族ドミニオンの侵攻やアルファ宇宙域の好戦的種族カーデシア人らとの長い紛争を招くことになる。 『スタートレック:ヴォイジャー』においては、地球から75000光年彼方のデルタ宇宙域深部に漂流してしまったU.S.S.ヴォイジャーNCC-74656が、帰還を早めるために常にワームホールを探し続けた。VOY7話「ワームホールの崩壊」では地球の属する惑星連邦の隣国のロミュラン帝国に通じる直径30cmの微小サイズのワームホールを発見し、転送機での帰還を試みたが、そのワームホールの先は20年前の世界であることが発覚し利用はできなかった。95話「暗黒の汚染空間」では2000光年に渡って星がひとつもない暗黒領域内にて、その領域を一気に飛び越える「渦」を発見し、その利用に成功した。130話「遥か彼方からの声」では、地球の宇宙艦隊技術部のレジナルド・バークレー大尉が、定期的に巡回してくるパルサーにタキオンビームを照射することでマイクロワームホールを一時的に作り出し、それを利用して35000光年離れた位置にいるヴォイジャーへの定期的な通信手段を確立した。
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