ローラ・LC89とは? わかりやすく解説

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ローラ・LC89

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 20:00 UTC 版)

ローラ・LC89
ローラ・LC89B
カテゴリー F1
コンストラクター ローラ・カーズ
デザイナー エリック・ブロードレイ
クリス・マーフィー
先代 ローラ・LC88
後継 ローラ・LC90
主要諸元[1][2]
シャシー カーボンファイバーモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, ツインスプリング / ダンパー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, ツインスプリング / ダンパー
エンジン ランボルギーニ 3512 3,493 cc (213.2 cu in), 80°V12, NA, ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ローラ 6速 MT
燃料 BP
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム ラルース・カルメル
エキップ・ラルース
ドライバー 29. ヤニック・ダルマス
29. エリック・ベルナール
29. ミケーレ・アルボレート
30. フィリップ・アリオー
30. 鈴木亜久里
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1989年モナコグランプリ
出走優勝ポールFラップ
16000
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ローラ・LC89 (Lola LC89) は、ラルース1989年F1世界選手権に投入したフォーミュラ1カーローラの創設者、エリック・ブロードレイが設計した。エンジンは元フェラーリの技術者であったマウロ・フォルギエリが開発したランボルギーニ3512を搭載した。LC89は同年のF1マシン中最良のハンドリングを持つマシンの1台として見なされた。

LC89は1990年の序盤2レースでも使用された。

概要

ランボルギーニ3512エンジン

1989年シーズン

ランボルギーニ製V12エンジンを搭載したLC89は第3戦のモナコグランプリでデビューした。空力特性に優れエンジンも600 bhp (447 kW; 608 PS)の出力を発揮するなど良好なパフォーマンスを示したが、信頼性に欠けていた。

フィリップ・アリオーヤニック・ダルマスの2台体制であったが、ダルマスは4戦連続で予選落ちと不振に陥り、チームは休養という形で彼を降板させる。後任として第7戦フランスGPと第8戦イギリスGPではルーキーのエリック・ベルナール、第9戦ドイツGP以降はミケーレ・アルボレートがドライブした[3]。最高位は第14戦スペインGPでアリオーが記録した6位で、1ポイントを獲得。これがLC89の獲得した唯一のポイントであった。5度のF1優勝経験のあるアルボレートだが、加入2戦目の第10戦ハンガリーGPで縁石を超えた際に肋骨骨折。身体コンデションが落ちたため第14戦スペインGPと第16戦オーストラリアGPで予備予選不通過、第15戦日本GPで予選落ちと結果を残せず、短い在籍で翌年からアロウズへと移籍した[4]

LC89は改良が施され、LC89Bとして最終戦終了後から1990年開幕までのテストで使用された。ラルースへの移籍加入が決まり、12月に行われたエストリル合同テストで初めてLC89Bに乗った鈴木亜久里は、「もう、ザクスピードとは全然違うよ、何が違うって全部だよ全部。はじめてF1マシンに乗ったよ。タイヤもグッドイヤーで踏めばちゃんと進むし、ミッションはカチッと入るし、ダウンフォースもあって路面に食いついて曲がる。これがF1だよ!」とコメント、前シーズンのザクスピードのマシンが不作だったこともあるが、LC89への好印象を述べた[5]

1990年シーズン

新車の完成までの間、1990年の序盤2戦でも実戦使用された。1990年アメリカグランプリエリック・ベルナールが8位完走、鈴木亜久里もリタイヤするまで7位を走行した。第3戦サンマリノGPからローラ・LC90が投入された。

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション

シャシー エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
1989年 LC89 ランボルギーニ 3512
V12
G BRA
SMR
MON
MEX
USA
CAN
FRA
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
POR
ESP
JPN
AUS
1 16位
ヤニック・ダルマス DNQ DNQ DNQ DNQ
エリック・ベルナール 11 Ret
ミケーレ・アルボレート Ret Ret Ret Ret 11 DNPQ DNQ DNPQ
フィリップ・アリオー Ret NC Ret Ret Ret Ret Ret DNPQ 16 Ret 9 6 Ret Ret
1990年 LC89B ランボルギーニ 3512
V12
G USA
BRA
SMR
MON
CAN
MEX
FRA
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
POR
ESP
JPN
AUS
11* 6位
エリック・ベルナール 8 Ret
鈴木亜久里 Ret Ret

* ローラ・LC90でのポイントを含む。

参照

  1. ^ Lola LC89 F1 Stats
  2. ^ Lola LC89B F1 Stats
  3. ^ ラルースからF1復帰!流浪のアルボレート F1GPX 1989年西ドイツGP号 28頁 山海堂
  4. ^ アルボレート来シーズンはアロウズに決定 F1GPX 1989年第14戦スペインGP号 29頁、山海堂
  5. ^ AGURI in ESTORIL ドン底から這い上がれ F1GPX '90カレンダー号 2-3頁 1989年12月29日発行



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