1989年ポルトガルグランプリとは? わかりやすく解説

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1989年ポルトガルグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 16:18 UTC 版)

 1989年ポルトガルグランプリ
レース詳細
日程 1989年シーズン第13戦
決勝開催日 9月24日
開催地 エストリル・サーキット
ポルトガル エストリル
コース長 4.350km
レース距離 71周(308.850km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'15.468
ファステストラップ
ドライバー ゲルハルト・ベルガー
タイム 1'18.986(Lap 49)
決勝順位
優勝
2位
3位

1989年ポルトガルグランプリは、1989年F1世界選手権の第13戦として、1989年9月24日エストリル・サーキットで開催された。

概要

オニクスチームは、このレースからドライバーの一人をベルトラン・ガショーからJ.J.レートに変更した。初のF1エントリーとなったレートは予備予選不通過に終わった。

ウィリアムズは新車FW13を投入した。ただしリアエンドはFW12Cのものを流用したものだった。

レースはスタートを決めたフェラーリゲルハルト・ベルガーが1周目にトップに立ち、後続を引き離した。もう1台のフェラーリに乗るナイジェル・マンセルは序盤こそアイルトン・セナを抜くために数周を費やしたが、すぐにベルガーに次ぐ2位になり、フェラーリの2台がレースを引っ張り、マクラーレンの2台がそれに続いた。

ピレリタイヤを履くミナルディピエルルイジ・マルティニは後続を抑え5位を走行していたが、グッドイヤーを履くフェラーリとマクラーレンの4台がタイヤ交換のためにピットインしたタイミングで、先頭でコントロールラインを通過した。この40周目はミナルディはチーム史上初めて(そしてチーム史上唯一の)ラップリーダー記録となったが、41周目にはすぐにベルガーとセナに抜かれ順位を落とした。

その40周目に、タイヤ交換のためにピットインしたマンセルは自らのピットを通り過ぎて停止してしまった。マンセルはフェラーリのピット前に戻るためリバースギアを使って後退したが、このことによりマンセルは失格となり、ピットアウトしたマンセルにはピットインを指示する黒旗が提示された。マンセルは3周にわたり黒旗を無視して走行を続けて前を走るセナを攻め立てたが、セナもマンセルに対して引かずに走行し、第1コーナーで両者が接触した。セナはそのままリタイアとなり、ノーポイントに終わった。

最終的にゲルハルト・ベルガーが優勝し、2位はフェラーリとマクラーレンの4台では最も後方を走り続けていたアラン・プロストのものとなった。これでプロストはセナとのポイント差を25まで広げることに成功した。ステファン・ヨハンソンが3位でゴールし、オニクスチームにとって初の表彰台フィニッシュとなった。4位はアレッサンドロ・ナニーニ、ラップリーダーを記録したマルティニは5位でフィニッシュし、この年2度目の入賞を果たした。

レース後、マンセルは謝罪をした上で黒旗が見えなかったと釈明した[1]が、5万米ドルの罰金とスペインGPへの出場停止の処分を受けた。

結果

予選結果

順位 No ドライバー コンストラクタ 1回目 2回目
1 1 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 1'15.496 1'15.468
2 28 ゲルハルト・ベルガー フェラーリ 1'16.799 1'16.059 +0.591
3 27 ナイジェル・マンセル フェラーリ 1'17.387 1'16.193 +0.725
4 2 アラン・プロスト マクラーレンホンダ 1'17.336 1'16.204 +0.736
5 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 1'16.938 1'17.161 +1.470
6 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 1'17.281 1'17.852 +1.813
7 21 アレックス・カフィ ダラーラフォード 1'18.623 1'17.661 +2.193
8 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 1'17.801 1'17.888 +2.333
9 24 ルイス・ペレス=サラ ミナルディフォード 1'17.844 1'18.305 +2.376
10 7 マーティン・ブランドル ブラバムジャッド 1'17.874 1'17.995 +2.406
11 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 1'18.589 1'18.093 +2.625
12 36 ステファン・ヨハンソン オニクスフォード 1'19.281 1'18.105 +2.637
13 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 1'18.115 1'18.359 +2.647
14 15 マウリシオ・グージェルミン マーチジャッド 1'18.124 1'18.277 +2.656
15 31 ロベルト・モレノ コローニフォード 1'18.196 1'20.512 +2.728
16 20 エマニュエル・ピロ ベネトンフォード 1'18.340 1'18.328 +2.860
17 30 フィリップ・アリオー ローラランボルギーニ 1'19.306 1'18.386 +2.918
18 3 ジョナサン・パーマー ティレルフォード 1'19.172 1'18.404 +2.936
19 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 1'18.442 1'18.511 +2.974
20 11 ネルソン・ピケ ロータスジャッド 1'18.482 1'18.682 +3.014
21 29 ミケーレ・アルボレート ローラランボルギーニ 1'18.563 1'18.846 +3.095
22 9 デレック・ワーウィック アロウズフォード 1'18.711 1'18.892 +3.243
23 25 ルネ・アルヌー リジェフォード 1'18.767 1'19.979 +3.299
24 16 イヴァン・カペリ マーチジャッド 1'19.079 1'18.785 +3.317
25 12 中嶋悟 ロータスジャッド 1'19.278 1'19.165 +3.697
26 10 エディ・チーバー アロウズフォード 1'19.247 1'20.006 +3.779
DNQ 4 ジョニー・ハーバート ティレルフォード 1'19.515 1'19.264 +3.796
DNQ 26 オリビエ・グルイヤール リジェフォード 1'19.605 1'19.436 +3.968
DNQ 39 ピエール=アンリ・ラファネル リアルフォード - 1'21.435 +5.967
DNQ 38 クリスチャン・ダナー リアルフォード 1'21.678 1'22.423 +6.210
  • 上位26台が決勝進出

決勝結果

順位 No ドライバー コンストラクタ 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 28 ゲルハルト・ベルガー フェラーリ 71 1:36'48.546 2 9
2 2 アラン・プロスト マクラーレンホンダ 71 +32.637 4 6
3 36 ステファン・ヨハンソン オニクスフォード 71 +55.325 12 4
4 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 71 +1'22.369 13 3
5 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 70 +1 Lap 5 2
6 3 ジョナサン・パーマー ティレルフォード 70 +1 Lap 18 1
7 12 中嶋悟 ロータスジャッド 70 +1 Lap 25  
8 7 マーティン・ブランドル ブラバムジャッド 70 +1 Lap 10  
9 30 フィリップ・アリオー ローラランボルギーニ 70 +1 Lap 17  
10 15 マウリシオ・グージェルミン マーチジャッド 69 +2 Laps 14  
11 29 ミケーレ・アルボレート ローラランボルギーニ 69 +2 Laps 21  
12 24 ルイス・ペレス=サラ ミナルディフォード 9 +2 Laps 14  
13 25 ルネ・アルヌー リジェフォード 69 +2 Laps 23  
14 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 69 +2 Laps 11  
リタイヤ 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 60 オーバーヒート 6  
リタイヤ 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 60 オーバーヒート 8  
リタイヤ 1 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 48 接触 1  
失格 27 ナイジェル・マンセル フェラーリ 48 失格 3  
リタイヤ 9 デレック・ワーウィック アロウズフォード 37 アクシデント 22  
リタイヤ 11 ネルソン・ピケ ロータスジャッド 33 接触 20  
リタイヤ 21 アレックス・カフィ ダラーラフォード 33 接触 7  
リタイヤ 20 エマニュエル・ピロ ベネトンフォード 29 サスペンション 16  
リタイヤ 16 イヴァン・カペリ マーチジャッド 25 エンジン 24  
リタイヤ 10 エディ・チーバー アロウズフォード 24 スピンオフ 26  
リタイヤ 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 17 電気系 19  
リタイヤ 31 ロベルト・モレノ コローニフォード 11 電気系 15  
  • 予選、決勝順位は、公式サイト[2]およびF1グランプリ年鑑[3]より。

記録

  • エントリー:J.J.レート
  • 初表彰台(チーム):オニクス
  • 最終決勝スタート:コローニ

脚注

  1. ^ 5 Shocking Moments from the Portuguese Grand Prix”. FORMULA 1 2020-10-19. 2022年3月23日閲覧。
  2. ^ The Official Formula 1 Website”. 2009年1月18日閲覧。
  3. ^ アラン・ヘンリー 編 『F1グランプリ年鑑 1989-90』バベル・インターナショナル・訳、CBSソニー出版、1990年、pp.166-167頁。ISBN 4-7897-0502-1 

関連項目

前戦
1989年イタリアグランプリ
FIA F1世界選手権
1989年シーズン
次戦
1989年スペイングランプリ
前回開催
1988年ポルトガルグランプリ
ポルトガルグランプリ 次回開催
1990年ポルトガルグランプリ

1989年ポルトガルグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 07:44 UTC 版)

ナイジェル・マンセル」の記事における「1989年ポルトガルグランプリ」の解説

予選からフェラーリ勢が好調で、決勝でもマンセルベルガー抜いて首位を走る。しかし、ピット作業時にチームピット通り過ぎたあとに後退ギア使った為、失格裁定下ったピットイン指示する黒旗提示されたが、3周に渡ってこれを無視し最終的に第1コーナーセナ接触したマンセルは「逆光で旗が見えなかった」と弁明したが、5万ドル罰金と1レース出場停止処分受けた黒旗無視して走行し続けチャンピオン争いをしていたセナ事故起こしたことは大きな波紋呼んだ

※この「1989年ポルトガルグランプリ」の解説は、「ナイジェル・マンセル」の解説の一部です。
「1989年ポルトガルグランプリ」を含む「ナイジェル・マンセル」の記事については、「ナイジェル・マンセル」の概要を参照ください。

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