コローニ・C3とは? わかりやすく解説

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コローニ・C3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/20 17:24 UTC 版)

コローニ・C3
カテゴリー F1
コンストラクター コローニ
デザイナー クリスチャン・バンダープレインドイツ語版
ミッシェル・コスタ
先代 コローニ・FC188
後継 コローニ・C3B
主要諸元
シャシー アルミニウムおよびカーボンファイバーモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, ショックアブソーバー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, ショックアブソーバー
トレッド 前:1,810 in (4,597.4 cm)
後:1,660 in (4,216.4 cm)
ホイールベース 2,800 in (7,112.0 cm)
エンジン フォード コスワース DFR (Mader) 3.5リッター, 595-620ps, V8 (90°) NA ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション コローニ/ヒューランド 6速 セミオートマチック
重量 500 kg (1,102 lb)
燃料 アジップ
タイヤ ピレリ
主要成績
チーム コローニ SpA
ドライバー ロベルト・モレノ
ピエール=アンリ・ラファネル
エンリコ・ベルタッジア
初戦 1989年カナダグランプリ
出走 優勝 ポール Fラップ
3 (28) 0 0 0
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コローニ・C3 (Coloni C3, FC189) は、コローニ SpA1989年F1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。C3はその後のC3BC3CC4のベースとなった。

開発

コローニ・C3は、チームが1988年の夏にAGSから獲得したクリスチャン・バンダープレインドイツ語版によって設計された。開発作業は9月に始まり、翌年の6月までに完成することになっていた。C3は前作のFC188とは異なり、スリムかつ軽量化した新設計のモノコックを有していた。しかしながらサスペンションはほとんど変更が無かった[1]。その年の他のF1マシンと比べると、C3のホイールベースは非常に短く2800mmしかなかった[2]。ボディのデザインは当時の流行に合わされ、スリムな車体とドライバー頭上にエアスクープを装備、カウルは後方に向けてなだらかに傾斜していた。サイドポッドは非常に低くデザインされた。エンジンはフォードコスワース DFRを装備、これはスイスハイニー・マーダー・レーシング・コンポーネンツドイツ語版がチューンした物であった。チームは1989年春に2台のC3を準備した。カラーリングは前作までの明るい黄色一色とは異なり、白と黒の塗り分けに黄色と青のラインが入った物となった。

しかしながら、AGSから2人のスタッフを引き連れての移籍だったバンダープレインは7月のドイツGPで「C3の製作も完了したのでコローニとの契約を解消した」と発表、マシンを熟成させることなくチームを離脱してしまった[3]。いくつかの文献では、C3はチームを上位にもたらす可能性があったと指摘している。チームの財源不足とチーム内での意見の相違が車の開発やチームの活動体制の発展を妨げた[4]

レース戦績

コローニは1989年、2台体制でシーズンに臨んだ。C3は6月の第6戦カナダGPで初めて投入された。ドライバーは前年の国際F3000選手権でシリーズタイトルを獲得、フェラーリ639を開発しドライバーとして評価を得ていたロベルト・モレノと契約。セカンドカーには、前年のオーストラリアGPでのF1スポット参戦歴があり、いくつかのフランススポンサーを持ち込んだF3000ドライバー、ピエール=アンリ・ラファネルを起用した。ラファネルは開幕から第10戦ハンガリーGPまで予備予選不通過が続き、第11戦ベルギーGPからはマカオF3勝者であるエンリコ・ベルタッジアと交代することになった。モレノはカナダGPイギリスGPポルトガルGPで予選を通過し、決勝に進出したがいずれもリタイアしている。ポルトガルGPでは予選を15位で通過した。リタイア原因はギアボックスの破損が2回、エンジンの不調が1回であった。セカンドドライバーのラファネルとベルタッジアは全戦で予備予選落ちし、決勝レースを走ることは1度も無かった。

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション

チーム シャシー エンジン タイヤ 車番 ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
1989年 コローニ SpA C3 コスワース V8 3.5 P BRA
SMR
MON
MEX
USA
CAN
FRA
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
POR
ESP
JPN
AUS
0 -
31 モレノ Ret DNQ Ret DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ Ret DNPQ DNPQ DNPQ
32 ラファネル DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ
ベルタッジア DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ DNPQ

参照

  1. ^ Hodges: Rennwagen von A–Z nach 1945. 1994, S. 57.
  2. ^ Cimarosti: Das Jahrhundert des Rennsports. 1997, S. 409.
  3. ^ コローニのデザイナー バンダープレイン契約解消 グランプリ・エクスプレス '89西ドイツGP号 29頁 山海堂 1989年8月19日発行
  4. ^ Ménard: La Grande Encyclopédie de la Formule 1. 2000, S. 604.

参考文献

  • Adriano Cimarosti: Das Jahrhundert des Rennsports. Autos, Strecken und Piloten. Motorbuch-Verlag, Stuttgart 1997, ISBN 3-613-01848-9.(ドイツ語)
  • David Hodges: A–Z of Grand Prix Cars. Crowood Press, Marlborough 2001, ISBN 1-86126-339-2.(英語)
  • David Hodges: Rennwagen von A–Z nach 1945. Motorbuch-Verlag, Stuttgart 1994, ISBN 3-613-01477-7.(ドイツ語)
  • Pierre Ménard: La Grande Encyclopédie de la Formule 1. 2. Auflage. Chronosports, St. Sulpice 2000, ISBN 2-940125-45-7.(フランス語)
  • The magazine "Formula 1". November 2000. ed. "Autopanorama". pp. 46-51. ISSN 1560-3571 

外部リンク




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