レンキスト首席裁判官の反対意見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 13:59 UTC 版)
「テキサス州対ジョンソン事件」の記事における「レンキスト首席裁判官の反対意見」の解説
ブレナン裁判官の法廷意見に対しては、二つの反対意見がある。一つが首席裁判官ウィリアム・レンキストのもので、バイロン・ホワイト裁判官及びサンドラ・デイ・オコナー裁判官がこれに加わった。これは、国旗の「特殊な地位」(unique position)に照らし、「被申立人ジョンソンが本件においてした方法による国旗焼却を政府が禁止することは正当化される」とした。レンキストは、次のように書いた。 アメリカの国旗は、昔から200年を超える我々の歴史を通じて、我々の国家を具現化した目に見える形の象徴となっている。それは、何らかの特定の政党や、特定の政治哲学を代表するものではない。国旗は、意見の自由市場において承認されるべく競争し合う単なる別の「思想」や「見解」などではない。何百万人ものアメリカ人が、その社会的、政治的、哲学的信条の如何にかかわらず、国旗を神秘的な畏敬の対象同然のものとして扱っている。私は、修正第1条によって、公然と国旗を焼却する行為を犯罪とする連邦議会の法及び50州中48州の法を無効とすることには賛同できない。 また、レンキストは、国旗焼却は「何らかの思想の表出の本質的部分」ではなく、むしろ「不明瞭な唸り声や吠え声にも等しいものであり、何らかの特定の思想を表現するためではなく、他の思想と敵対するのに耽るためのものであるらしい、といって差し支えないであろう」と論じた。さらに、問題の州法は、ジョンソンによる思想の表現方法に対してのみ課せられた合理的な制限であり、「国家の政策に対する深い不満の意を表明するためというのであれば、他のありとあらゆる種類の象徴も、考えられる限りの形態による言語的表現も」ジョンソンには残されていたとまで述べ、「修正第1条は、ありとあらゆる時及び場所における考え得る限りのすべての手段をとる権利まで保障するものではない」とした1984年の『City Council of Los Angeles v. Taxpayers for Vincent』事件最高裁判決の多数意見を引用している。
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