レバノン内戦への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 19:31 UTC 版)
「レバノン内戦」も参照 湾岸戦争前に、フセイン政権はレバノンのマロン派キリスト教勢力およびレバノン国軍に対して、(対立関係にある)シリア・バース党に対する対抗策として余剰の軍備を供与するなど同内戦に関与を深めていた。しかし、湾岸戦争の勃発により、これらの支援は途絶。マロン派キリスト教勢力は外国からの支援が途絶え、さらに民兵組織の処遇を巡って、同派の有力民兵組織レバノン軍団とミシェル・アウン率いるレバノン国軍は軍事衝突するに至った。また、イラクから支援を得ていた事から、レバノン政府及び軍に対する欧米からの支援も凍結され、レバノンのマロン派キリスト教勢力は深刻な内紛を抱え込み国際的に孤立する事となった。 一方、シリアは多国籍軍への参戦を表明。アメリカはその見返りとして、(手詰まりに陥っていた)レバノン問題の解決をシリアに事実上一任する形となった。また、この事態はイラクを支持し、レバノン国内のパレスチナ難民キャンプを事実上支配地域としていたPLOに対する牽制ともなった。 アメリカの黙認を得たシリア軍は、レバノン国軍に対して、各宗派の民兵組織と連携して大攻勢を仕掛け、これを降伏させた。レバノン内戦はシリア主導によって終結に向かう事となった。
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