レバノンとシリア難民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/17 09:05 UTC 版)
2015年、レバノンは隣国から移動する難民に対してビザ制度を導入して抑制をかける動きを見せた。ただし、レバノンからの移動は国境検問所を通過せずとも可能であり実効性は乏しい。2015年の時点で110万人を超える難民が押し寄せているが、未登録のままレバノンへ流入した者も多く実数の把握は困難なものになっている。政治的、宗教的対立が続くレバノンでは、難民に対して機動的な施策を採ることは困難な中、大量の難民が限られた国内リソースを圧迫。治安の悪化も加わりレバノン国民の不満も高まった。 2017年にUNHCRが行った調査では、過去3ヶ月に何らかの形で支援を受けたと答えたシリア難民は3分の2を超え改善の兆しは見えるようになった。しかし、難民の生活は厳しく一人当たり1日2.87米ドル以下で暮らす家庭は58%と半数以上であり、増加傾向を示している。対応するレバノン政府の財政危機は深刻であり、難民の支援までには手が回らない状況になっている。2020年3月7日、レバノン政府は外貨建て国債の支払い延期を決めてデフォルト状態に陥り、難民への支援は厳しい状況に置かれている。
※この「レバノンとシリア難民」の解説は、「シリア難民」の解説の一部です。
「レバノンとシリア難民」を含む「シリア難民」の記事については、「シリア難民」の概要を参照ください。
- レバノンとシリア難民のページへのリンク