レコーディング・制作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 13:45 UTC 版)
「テイク・オン・ミー」の記事における「レコーディング・制作」の解説
新しいデモ音源を録音することを決めたバンドは、ミュージシャン兼音楽プロデューサーのジョン・ラトクリフが所有するスタジオを使用し、5曲を再録音することにした。バンドはラトクリフと契約し、ラトクリフはマネージャーとしてテリー・スレイターを紹介した。これにより、バンドは「テイク・オン・ミー」をはじめとした楽曲を完成することができた。数回のミーティングの後、スレイターはバンドをワーナー・ブラザースUKと契約させた。 バンドは、プロデューサーのトニー・マンスフィールドと会い、電子楽器を使用してデモ音源をミックスした。完成したサウンドは、バンドが期待していたものとは異なり、アルバムは再びリミックスされることとなった。リミックス後、バンドは「テイク・オン・ミー」をシングル盤として発売したが、全英シングルチャートでは137位と低調であった。これを受けて、アメリカのワーナー・ブラザース本社はバンドに投資し、本作を再レコーディングする機会を与えた。本作のメインリフは、ローランド・JUNO-60の他、YAMAHA DX7やPPG Waveを使用して作られた。 フルホルメンは、ローランド・JUNO-60でメインのメロディーを演奏し、ワークターがフルホルメンに合わせて2台目のキーボードでメインリフを演奏している。2回目と3回目のリリースで使用されたドラムマシンはLinnDrumで、ワークターはLinnDrumを使用してシンバルとハイハットをオーバー・ダビングした。ハルケットは、Neumann U47というマイクロフォンの他、Neve社のマイク・プリアンプとイコライザーを使用してボーカルを録音している。 過去に幾度かアレンジが試されたものの、「テイク・オン・ミー」が商業的に成功していなかったことを知ったアンドリュー・ウィッカムは、a-haをワーナー・ブラザース・アメリカと契約させる。スレイターの推薦により、プロデューサーであるアラン・ターニーに曲を改良を依頼。曲はすぐに完成し、イギリスで再発売されたが、ロンドンのレコード会社はバンドをほとんどサポートすることはなく、2回目のリリースも失敗に終わった。 ウィッカムは、バンドに対してさらに投資。6か月をかけてロトスコープ技術を使用したミュージック・ビデオが制作され、スティーブ・バロンが監督を務めた。ミュージック・ビデオの公開から1か月後にアメリカで発売され、Billboard Hot 100で第1位を獲得。その後、多数の国のシングルチャートで第1位を獲得した。 オールミュージックのティム・ディグラヴィナは、「ニュー・ウェイヴの名曲で、強いキーボードの音が入っていて、ハルケットのボーカルの優美さのおかげで心に響く」と評している。
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