リーグルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 外国人名の読み方 > リーグルの意味・解説 

リーグル

名前 Riegl; Liegle; Riegle

リーグルの詩

(リーグル から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/15 09:51 UTC 版)

リーグ

リーグルの詩[1](リーグルのうた。『リーグルの唄[2](リーグルのうた)、『リーグの歌[3](リーグのうた)、『リグの歌[4](リグのうた)とも)は、北欧神話を伝えるエッダ詩の1篇。

スノッリのエッダ』の写本のうちヴォルム写本にのみに現存し[5][6]、写本の巻末に収録されているが末尾の紙片は失われていて作品としては未完である[7][6]10世紀中頃または12-13世紀ごろに、ノルウェーまたはアイスランドで成立したと考えられている[8]

北欧神話に登場する神ヘイムダルリーグアイルランド語の「王」の意味)と名乗って人間の間を巡り、3つの階級(奴隷、農民、貴族)を作った経緯が語られている[9]

内容

リーグルリーグ[10]リグ[11]とも。古ノルド語RígrRíg)は、ヘイムダルが人間の世界を旅するときに名乗った名前とされている。

ある日リーグルは老夫婦アーイ(「曾祖父」の意)とエッダ(「曾祖母」の意)の元で3晩宿泊し、彼らにたくさんの助言をした。その後エッダが生んだ息子スレール(「奴隷」の意)の元に、他から女性スィール(「下女」の意)が来て結婚し、夫婦は多くの子供を得た。これが奴隷(スレール)の発祥であった。

アヴィ(「祖父」の意)とアンマ(「祖母」の意)夫妻の元でも3晩宿泊し、彼らにたくさんの助言をした。その後アンマが生んだ息子カルル(原義は「自由農民」)の元に、他から女性スネール(「嫁」の意)が来て結婚し、夫婦は多くの子供を得た。これが自由農民の発祥であった。

ファジル(「父」の意)とモージル(「母」の意)夫妻の元でも3晩宿泊し、彼らにたくさんの助言をした。その後モージルは息子ヤルル(「王侯」の意)を生んだ。

ヤルルの元にリーグが訪れ、自分の名前を与えて後継者にした。またルーン文字も教えた。ヤルルはさらに周囲の国を攻めて支配下にしたが、多くの者に自分の財産を惜しみなく分け与えた。やがてエルナ(「器用な女」の意)という娘と結婚し、ブル(「息子」の意)をはじめとする多くの子供を得た。彼らが貴族(ヤール)の発祥であった。

夫妻の末の息子はコン(「末裔」「息子」の意。コヌング(王)の語源と考えられている)という名で、彼は多くのルーン文字を知っており、自身もリーグと称したとされている。

ケニング「ヘイムダルの子」について

巫女の予言』の冒頭で人間たちが「ヘイムダルの子ら」と呼ばれるのは、ヘイムダルが人間の守り神と考えられているためであろう。この思想に基づいて、身分制度もヘイムダルによって決められたとされたのかもしれない[12]。この事からヘイムダルはオーディンよりも古い時代の神ではないかと言われる。

この「ヘイムダルの子ら」というケニングは、『巫女の予言』のみに見られる。『リーグルの詩』が後世に残らなければ、なぜ人間がそのように呼ばれるのか不明のままだったろうと考えられている[13]

脚注

  1. ^ 「エッダ詩」(テリー・グンネル著、伊藤盡訳、『ユリイカ』第39巻第12号、2007年10月、pp.121-137)で確認できる日本語題。
  2. ^ 「原典資料」(ジョン・マッキネル著、伊藤盡訳、『ユリイカ』第39巻第12号、2007年10月、pp.107-120)で確認できる日本語題。
  3. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』で確認できる日本語題。
  4. ^ 『北欧の神話』で確認できる日本語題。
  5. ^ "Medieval Scandinavia: An Encyclopedia", p.535。
  6. ^ a b 『北欧神話物語』p.281。
  7. ^ "Dicionary of Northern Mythology", p.265
  8. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』p.300(解説「一 エッダ 4 各篇解説 リーグの歌」)
  9. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』pp.201-206(「リーグの歌」)
  10. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』などにみられる表記。
  11. ^ 『北欧の神話』などにみられる表記。
  12. ^ 『北欧の神話』pp.146-147
  13. ^ 『巫女の予言 エッダ詩校訂本』p.124

参考文献

関連項目

外部リンク


「リーグル」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リーグル」の関連用語

リーグルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リーグルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリーグルの詩 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS