ライトノベル、メディアミックス、ハイパーテキスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 01:31 UTC 版)
「日本の近現代文学史」の記事における「ライトノベル、メディアミックス、ハイパーテキスト」の解説
1980年(昭和55年)前後から、日本の漫画風の表現手法を大幅に取り入れ、10代の青少年に購買層を絞ったエンターテイメント小説が登場した。当初「ジュブナイル」「ヤングアダルト」「ジュニアノベル」などと呼ばれたこのような小説ジャンルは、1990年代後半にはライトノベル(通称ラノベ。ただしラノベは和製英語)と呼ばれるのが一般的になった。ライトノベル専門のレーベルから刊行され、漫画風のイラストが表紙になり、挿絵となっているのが特徴である。また1980年代以降の少女小説も同様の特徴を持ち、1990年代以降は「少女向けライトノベル」としてこのジャンルに組み込まれた。 1980年代に、赤川次郎、新井素子、夢枕獏、菊地秀行、田中芳樹、栗本薫、氷室冴子、久美沙織、高千穂遙などの作家が、読者対象を中高生に絞った娯楽小説作品を発表し人気を博した。 1990年代には水野良、神坂一、上遠野浩平などが登場し、小説を原作にアニメ化・ゲーム化など他メディアに展開、メディアミックスの一翼を担った。 現在[いつ?]は一般文芸で活躍する乙一や冲方丁はライトノベル出身、唯川恵、山本文緒、角田光代などは少女小説出身であり、有川浩や桜庭一樹の一部作品など、ライトノベルとして出版されたものを一般文芸として再刊行する例もある。 また、特に2000年代後半から、インターネットや携帯電話の普及によりテクストの形態が急激に変化し、ハイパーテキストを多くの人々が享受する様になったため、文学は新しい展開を見せ始めた。同時に、従来の本を巡る市場は縮小し、文学のありかたに変化の兆しが見られる。
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