ユダヤ人の歴史家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 10:11 UTC 版)
「アブラハム・レオン」の記事における「ユダヤ人の歴史家」の解説
アブラハム・レオンは、ユダヤ国家再建主義者として出発して、その後マルクス主義者となり、シオニストたちの考えに疑問を持つようになる。党の激務の中で、かつての自分の信奉した思想を批判するために書かれたのが、唯一の主著『ユダヤ人と資本主義 La cocepution matérialiste de la Question Juive』である。その骨子は、マルクスが『ユダヤ人問題によせて』で提出した、ユダヤ人問題の解決は新しい国家をつくることではなく、社会主義を実現し資本主義が体現するユダヤ性を解消することにある、というテーゼを引き継いでいる。レオンはトロツキー、アイザック・ドイッチャーなどと共通して抱いていた見解に歴史的な裏付けを与え、さらにはユダヤ国家再建が国境を越えた労働者同士の連帯にとって障害となるという実践的な結論を得ようとした、といえる。「ユダヤ的本質」が形成された封建社会を詳しく分析し、ユダヤ人が不動産を放棄し金融業に職業を特化し、ユダヤ共同体が「民族階級」としてヨーロッパで経済的役割を果たすようになる過程を明らかにした。 レオンの著書で引用された著者として、ヴェルナー・ゾンバルト、フュステル・ド・クーランジュ、オットー・バウアー、テオドール・モムゼン、ルヨ・ブレンターノ、マックス・ヴェーバー、カール・カウツキー、アンリ・ピレンヌ、ハインリッヒ・クノー、ミハイル・ロストフツェフなどが挙げられる。
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