メレアグロス『花冠』ほか
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「ギリシア詞華集」の記事における「メレアグロス『花冠』ほか」の解説
ヘレニズム期の前100年から前80年頃、ガダラのメレアグロスが、現在知られる最古のギリシア語エピグラム選集『花冠』(Στέφανος ステパノス) を編纂した。メレアグロスはおそらく、当時出回っていたサッポーの詩集(アレクサンドリア図書館解体時に消失したことで知られる)や、テオグニスの詩集(偽作詩が混入した形で現存する)から詩を選出してこれを編纂した。 ローマ帝国期の1世紀、ネロの宮廷詩人ピリッポス(英語版)が、メレアグロスに倣って同題の選集『花冠』を編纂した。同様に、ビザンツ期の6世紀、ユスティニアノス1世治世下のアガティアスが選集『環』(Κύκλος キュクロス) を編纂した。これらと並行して、1世紀のルピノス(英語版)が自作含む選集を、2世紀のストラトン(英語版)が稚児愛詩のみからなる自作含む選集『稚児愛詩集』(Μούσα Παιδική ムーサ・パイディケー) を、2世紀のディオゲニアノス(英語版)が飲酒詩と風刺詩を中心とする選集『エピグラム詞華集』(Ἐπιγραμμάτων ἀνθολόγιον エピグランマトーン・アントロギオン) を、4世紀の東方教父ナジアンゾスのグレゴリオスが自作詩集を、それぞれに編纂した。 これら古代の選集・詩集はみな現存しないが、後述の『パラティン詞華集』を経て、『ギリシア詞華集』に収録詩や序詩が引き継がれている。 ギリシア語エピグラムは、古代ローマのラテン語詩人にも受容され、マルティアリスのラテン語エピグラム集や『ラテン詞華集(英語版)』の形成に繋がった。一方、中世ヨーロッパではギリシア語エピグラムの受容は絶無に等しく、わずかに4世紀のアウソニウスがラテン語訳した約70篇が受容される程度だった。
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