メディア媒体としての衰退・転化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:03 UTC 版)
「レコード」の記事における「メディア媒体としての衰退・転化」の解説
45回転盤やLPレコードは、音質や収録時間では大きな進歩を遂げたものの、通常レコード針の機械的な接触によって再生される基本原理はSPレコードと変わらなかった。この方式は盤面上の埃やキズ、周りの振動に影響されやすく、メディア個体の再生回数が多くなると、音溝の磨耗により高域が減衰していく問題があった。また45-45方式のチャネルセパレーション(左右の音の分離)にも限界があった。 1980年代に入ってからは、扱いやすく消耗しにくいコンパクトディスク (CD) の開発・普及により、一般向け市場ではメディア、ソフト、ハードとも著しく衰退したが、在来システムやオリジナル盤への愛着からアナログレコードを好む層も一定数存在した。 アーティストがCDシングルと並行して、アナログレコード盤を出すこともあった。 一方では1970年代以降、磨耗したレコードを通常の再生とは違った形でターンテーブルに載せて手動で回転させるという表現技法が現れ、そこから発達する形でクラブの DJ(ディスクジョッキー )の演奏にも利用されるようになった。 2000年代に入るとCDを利用してDJプレイができるような機器が普及したが、アナログレコードはその直感的な操作性とレンジの広い音質、特有のスクラッチノイズ、そしてアナログレコードという形式そのものへの愛着などから根強い人気があり、DJプレイ用に発売されるシングルの主流を占めていた(12インチシングル)。これはアナログレコード再生用ターンテーブル及びカートリッジへの一定の需要を生み出していた。 上記のように主流のメディアでは無くなったが、細々と生産が続けられていた。
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