ムハッラク市街の建造物群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 16:27 UTC 版)
「バーレーンの真珠採取業」の記事における「ムハッラク市街の建造物群」の解説
ムハッラクの建造物群は、富裕な真珠商人たちが建てた館や、それと隣接する商店、倉庫、集会場 (majlis)、モスクなどである。それらの建築様式には様々な国の影響が指摘されているが、それらは真珠取引の国際性を反映したものである。 特に富裕な真珠商人であるスィヤディ(シャディ)一族に関連する建造物が複数登録されている。まず、住居2棟とモスクが連なるスィヤディの建造物群 (Siyadi complex) である。このうち、ひとつ目の館は1850年に建てられ、1921年に改築されたもので、外観は装飾的なファサードが特徴的である。家族の住居と客の宿泊施設を兼ねた邸宅で、内装もペルシアから輸入した木工品などを使い、凝ったものになっている。この館はバーレーン文化省の所有物になっている。2つ目の館は1931年に建てられたもので、2012年の時点では、施工主の孫が住んでおり、一般公開はされていない。円錐形のミナレットと簡素なファサードが特徴のモスクは1階建てで、1865年に建てられたが、現在残るのは1910年に再建されたあとのものである。 これらの建造物群とは別に、店舗・倉庫の建造物群も登録されている。スィヤディの店舗群 (Siyadi shops) は、1860年から1905年に建造された3つの建造物群であり、うち2件が世界遺産になっており、残る1件は緩衝地域に含まれている。これらの店舗は真珠の時期にはそれを扱い、ほかの時期には食料品などを商った。 そのほかに何人もの商人たちの館や店舗が登録されているが、それらのうち、年代が特定できるものは、いずれも19世紀後半から20世紀初頭に建てられており、バーレーンの真珠産業の黄金時代にどれだけの富が蓄積されたのかを物語る。 ムハッラクの建造物群は、前述したスィヤディの館のひとつなどの例外を除いて、ほとんどが私有財産だが、法令によって文化省の管理下におかれている。2011年には文化省によって、ムハッラクの古い町並みを保存するための計画が策定された。
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