ミサイル・メール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 21:01 UTC 版)
「バーベロ (潜水艦)」の記事における「ミサイル・メール」の解説
1959年、当時大西洋艦隊で活動中のバーベロは郵政公社 (USPS) と協力して郵便物のより速く効率的な輸送法の実験を行った。ロケットで手紙を届けるという考えは新しいものではなかったが、郵政公社は最初で最後の「ミサイル・メール」の実験を試みた。1959年6月8日の正午直前、バーベロはフロリダ州メイポートの海軍補助航空基地でレギュラス巡航ミサイルを発射した。22分後、ミサイルは目標に命中した。ミサイルの核弾頭は郵政公社の公式メールコンテナ2個と交換されていた。 郵政公社はバーベロ艦内に郵便局を公式に開設し、バーベロがバージニア州ノーフォークを出航するまでにおよそ3,000通の手紙を配達した。記念カバーはドワイト・D・アイゼンハワー大統領を初めとする政府高官、万国郵便連合のメンバーに送られ、その中には郵政長官アーサー・E・サマーフィールド(英語版)からの手紙が含まれていた。それらの郵便料金は国内4セント、国際8セントとなり、バーベロが出航する前に「"USS Barbero Jun 8 9.30am 1959"」の消印が押印された。メイポートではレギュラスミサイル内のコンテナが開けられ、手紙はフロリダ州ジャクソンビルの郵便局に転送され仕分け、配達された。 ミサイルの着弾を目撃したサマーフィールド長官は「手紙を運ぶという重要で実際的な目的のための誘導ミサイルのこの平時利用は、世界中の郵政機関による初のミサイルの公式使用である。」と述べた。サマーフィールドはこの実験を「全世界の民族に歴史的に重要な出来事である。」と宣言し、「人類が月に到達する前に、手紙はニューヨークから数時間以内にカリフォルニアに、イギリスに、インドに、オーストラリアに、誘導ミサイルによって届けられるであろう。我々はロケット・メールの出発点に立っている。」との展望を述べた。
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