マリネットホン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 17:38 UTC 版)
マリネットホンは、通信自由化により新規参入した電気通信事業者であるマリネットホングループがサービスを行っていた船舶電話サービス。第三者無線と同じく大ゾーン方式で、ハンドオーバーは不可能。音声通信は周波数変調、制御はモデムによるデジタル信号で行われていた。可搬式端末(電話機)であり、基地局付近であれば、船舶上や陸上で移動しながら通話可能であった。 また、同じ基地局のマリネットホン同士では、送受信切り替えスイッチ (PTT : Press to talk) を押して送信する半復信方式であり、同報通信も可能であった。公衆交換電話網や違う基地局のマリネットホンとは、普通の電話と同じ同時送話可能な複信方式であった。 一般電話からマリネットホンへ発信するには、センターの代表番号へ電話し、セカンドダイヤルトーンを確認し、プッシュトーン (DTMF) で5ケタの加入者番号を入力していた。 移動局の最大出力は10Wであった。周波数は、海岸局(基地局)832.0125 - 833.9875MHz、船舶局(移動局)887.0125 - 888.9875MHzで12.5kHz間隔であった。なお、この周波数は事業を授受したIDO/DDIセルラーグループの携帯電話サービスに使用された後、2005年(平成17年)現在ではNTTドコモのFOMAプラスエリア対応携帯電話機の送信に使用されている。サービス終了後、第三者無線の海上使用が解禁され、役目が引き継がれた。 東京湾マリネット→日本移動通信(現 KDDI)サービス地域は、東京湾及びその周辺海岸部 1988年9月1日∼1997年12月 関西マリネット→関西セルラー電話(現 KDDI)サービス地域は、大阪湾・播磨灘並びに大阪府・兵庫県の周辺海岸部 1989年12月1日∼1998年6月 瀬戸内マリネット→中国セルラー電話(現 KDDI)サービス地域は、広島湾・安芸灘・斎灘・伊予灘及び燧灘並びに周辺海岸部 1990年4月6日∼1998年6月
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