マクシム・マクシームィチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 03:06 UTC 版)
「現代の英雄」の記事における「マクシム・マクシームィチ」の解説
ベラの物語を聞き、ペチョーリンなる人物に大いに好奇心をそそられた「私」は、ウラジカフカースの宿で、語り手マクシム・マクシームィチと再会した。そこへ立派な馬車が到着し、従僕は、馬車の主はペチョーリンで、今日は主人は某大佐宅に泊まるという。M.M.にとっては4年ぶりの再会で、すぐさま従僕を使いに出し、彼がすぐにでも駆けつけてくれるものと心踊らせるが、待てど暮らせどペチョーリンは来ない。翌朝、待ちくたびれたM.M.は仕事で司令部へ向かったが、そこへ漸くペチョーリンが現れたので、「私」はすぐさま司令部に使いをやった。初めて見るペチョーリンは、体躯・容姿・身なり、すべて申し分ない好男子で、上流婦人にはモテそうだが、一挙手一投足には、どこか神経質で、周囲に打ち解けぬ性格が微妙に滲み出ている。そして、笑う時も目だけは笑っておらず、眼光は鋭いが冷たい。 M.M.が汗びっしょりで駆けつけたが、M.M.の感激ぶりに比べると、ペチョーリンの態度は冷たくよそよそしい。積もる話もあろうM.M.の様子を無視し、ペチョーリンは「もう時間ですから」と去ってゆく。行き先はペルシャ、そして更にその先だという。M.M.は最後に、馬車の扉に取りすがりながら、「お前の書いた物が残っているぞ」と叫ぶが、「好きにして下さい」と素っ気ない答が返って来ただけだった。哀れな老2等大尉は「旧友を忘れるような者に、碌なことはあるまい」と嘆く。 ペチョーリンの残したノートは10冊あった。「私」はそれをM.M.から貰い受けた。
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