マインド・ウイルス
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生物学的ウイルスとコンピューター・ウイルスの共通点から、ウイルスの四つの特徴が分かる。侵入、複製、指令の発信、拡散である。
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マインド・ウイルス
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マインド・ウイルス (mind virus)とは、ウイルスが人々の間で拡散していくように、多くの人々に何らかのミームを感染させる文化要素である。例えば、迷信や多くの人に読まれる小説、流行語などである。マインドウイルスは必ずしも有害なのではなく、人々の生活に良い影響をもたらすウイルスもある。 マインド・ウイルスの概念を用い、ミームが多くの人々の心に拡散していく現象を説明することができる。マインド・ウイルスとミームは同じ概念(単なる言い換え)ではなく、ミームを多くの人の心へ拡散させる「何か」がマインド・ウイルスである。マインド・ウイルスは多くの心へ拡散する仕方がウイルスに似ているために、ウイルスとの類推が用いられている。 歴史的には、ミームという概念が生まれてからしばらくした後、マインド・ウイルスの理論が論じられた。リチャード・ドーキンスは、1991年に書いた小論 Viruses of the Mind で、マインド・ウイルスという概念を使っていた。その小論でドーキンスは、生物学的ウイルスおよびコンピューター・ウイルスとの類推を用いている。1996年、リチャード・ブロディが自著 Viruses of the Mind:The New Science of the Meme で、マインド・ウイルスという概念を詳しく論じた。 以下、ブロディによるマインド・ウイルスの説明を述べる。 ミームが人から人へと伝わる現象は様々であり、その感染していく現象が、ただランダムに感染していくのではなく、「何か」が人々をミームの拡散に利用していることがある。それは何らかの文化要素が、多くの心へその文化要素のミームを拡散させているのであり、その文化要素がマインド・ウイルスである。会話、テレビ、ラジオ、新聞、読書、インターネットなど、様々な機会からマインド・ウイルスは私たちの心へ入ってくる。またミームが進化するのと同様、マインド・ウイルスも進化する。 全てのマインド・ウイルスが有害ではない一方、マインド・ウイルスによっては人権侵害や子供達の教育に関する社会問題などを生む。ミーム学は、マインド・ウイルスがどのように働いているかを考察することで、こうした社会問題について新しい理解を得ることができる。
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